私の正体は ページ26
side．Watanabe
Aが眠り始めてから、人間の時間軸で言うと10日ほど経った時のことだった。
『ん、、』
渡辺
｢A…？｣
『しょ、ぴ、？』
渡辺
｢起きた？起きたの？｣
『ふふ、おはよ、』
渡辺
｢あべー！Aが起きたー！！｣
side．A
随分とゆっくり寝ていた気がする。
目が覚めると、ベッドの横にはしょっぴーがいて、優しく手を握りながらベッドに頭だけを預けて座って寝ていた。
私の目が覚めたことを確認すると、その手を離し、阿部ちゃんを全速力で呼びに行っていた。
『あ、手…離れちゃった…。』
阿部ちゃんを呼びに言ってから少しして、しょっぴーは阿部ちゃんと一緒に戻ってきた。
『え、阿部ちゃん大丈夫？』
阿部
｢いや…大丈夫、じゃ、ないよ、ね…｣
しょっぴーに思い切り走らされたんだろう。
めちゃくちゃ息が上がってる。
『ごめんね？ありがとう。』
そう言って体を起こそうとすると、全力でしょっぴーに止められた。
『え、なんで。』
渡辺
｢まだ目が覚めたばっかりだろ。10日も寝てたんだよ。｣
『そんなに…』
渡辺
｢1人で歩くこと忘れてんじゃねぇーの。｣
『そんなことないよ笑』
歩けない訳が無い。
そう思っていたのに、ベッドから足を下ろして1歩出そうとすると、力の入れ方がわからずそのまま膝から崩れ落ちてしまった。
『わっ、』
渡辺
｢ほら、やっぱり｣
阿部
｢筋肉の使い方が変わっちゃっただけだと思うから、リハビリすればすぐ歩けるようになるよ。｣
渡辺
｢10日間ずっと点滴だったからな。｣
阿部
｢まぁとりあえず今日はちょっと安静にしてて？｣
渡辺
｢また来る。｣
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作者名：あおだるま | 作成日時：2023年6月1日 22時
