保健室の渡辺先生 (ページ9)

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渡辺
｢ほんっと、なんでちゃんと確認してないわけ！？｣

『ごめんなさい…』

渡辺
｢タイミングよくて助かったな。これ、ふっかなら無理だったぞ。アイツ免許持ってねぇし。あと照は学年主任だから学校残んなきゃだし。｣

『ふっか？あぁ、深澤先生。免許持ってないんだ。』

渡辺
｢運がいいのか悪いのか…｣

『私は、良いと思います。』

渡辺
｢まぁ、気付いたのが俺だったしな。｣

『…はい。』

多分、私の思ってる意味とは違うけど気付いてくれたのが渡辺先生で良かったと思ってる。

渡辺
｢よし、着いた。気をつけて行ってこい。｣

『はい、ありがとうございました！』

渡辺
｢あ、ちょっと待て。｣

『なんですか？』

渡辺
｢これ。持ってけ。｣

『え、』

そう言って渡されたのは“がんばれ”とひらがなでメッセージの書かれたキットカット。
あとピンクの可愛いお守りがひとつ。

渡辺
｢いーから！はい！早く！送ってきてやったのに間に合わねぇぞ！｣

『あっ、はい！ありがとうございます！』

渡辺先生がくれたお守りを握りしめて私は会場に入った。

これは絶対受かんなきゃいけない。

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