保健室の渡辺先生 (ページ14)

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side.Watanabe

正直、Aが来た時は告白されると思ってた。

自慢じゃないけどこの学校に赴任してから毎年この時期になると告白のラッシュが始まる。

それはやっぱり卒業するというのが大きな要因にはなるんだけど。

Aを見送った後、片付けを終えたふっかと照が保健室に来た。

ｶﾞﾗｯ

深澤
｢やっほ〜｣

岩本
｢お疲れ｣

渡辺
｢そっちこそ。｣

深澤
｢んで？どーだったの？｣

渡辺
｢なにが。｣

深澤
｢今年も告白祭りだったんでしょ？｣

岩本
｢毎年大変だな。｣

渡辺
｢他人事だな。｣

岩本
｢だって他人事だし。笑｣

渡辺
｢そーゆーお前らはどうなんだよ。｣

カチャカチャとマグカップにコーヒーを作りながら束の間の雑談タイムに入る。

深澤
｢じゃなくて！今年はほら、いつもと違うでしょ。｣

渡辺
｢なにがだよ。笑｣

深澤
｢A。付き合ったの？それとも連絡先交換しといて大学入ってからとか？｣

渡辺
｢付き合ったも何も俺から告ってもないし、向こうから告られてもない。そんな話になってねぇから。｣

深澤
｢……えっ！！！｣

渡辺
｢…ぅるさ、、｣

岩本
｢俺も正直びっくりしてる。｣

渡辺
｢照はそっち側でいいのかよ笑｣

岩本
｢まぁ在学中はあんまノリノリでいいよとかは言えないけど、翔太の事だから付き合うのかと…｣

渡辺
｢残念ながら期待通りにはなってねぇわ。笑｣

深澤
｢……よしっ、今日は飲み行こ！｣

岩本
｢そうだな。卒業式のお疲れ様会も兼ねて行くか。｣

渡辺
｢え、俺落ち込んでねぇよ？笑｣

深澤
｢説得力ない顔で言うなって。もう決定だから。｣

.

.

その日は話を聞いてもらいながらかなり酔った。

自分でもびっくりするくらいAに惹かれていたらしい。

あー、暫く引き摺っていくんだろうなぁ…。