保健室の渡辺先生 (ページ2)

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出会いページ2

side.A

先生と出会ったのは、入学式のときだった。

人混みが苦手だった私は、入学式中に倒れてしまった。

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『ん…』

渡辺
｢あっ、気が付いた？｣

『ここ…』

渡辺
｢保健室。キミ、入学式の途中で倒れたんだよ？覚えてる？｣

『すみません…』

渡辺
｢いいよいいよ。笑
これが俺の仕事だから。｣

『……。』

渡辺
｢人多いの苦手なの？｣

『そうなんです、、元々体もそんなに強くないし…』

渡辺
｢あぁ、聞いてたそれ。今度入学する子にそんな子いるって。キミの事だったんだね。｣

『多分、』

渡辺
｢俺、ここにいるようにするからいつでもおいでね。｣

『ありがとうございます。』

渡辺
｢保護者の方は？｣

『あー…多分帰ったと思います。』

渡辺
｢え、帰った？｣

『はい。彼氏と会いに行ってるんじゃないかな。』

渡辺
｢彼氏？｣

『私、片親で。でもお母さんは夜職してて、昼夜逆転だから私とは生活リズムが合わないし、2,3ヶ月でコロコロ変わる彼氏に振り回されてるし。
……迷惑かけないからって高校から一人暮らしを始めたけど、入学式だけは予定空けて見に来てくれたんです。』

渡辺
｢そうか。じゃあ高校デビューってやつだな。｣

『まぁ、ある意味デビューですね。』

渡辺
｢ほら、もうみんな教室来る頃じゃないの？着いてってやるから行きな。｣

『ありがとうございます。』

今思えば一目惚れだった。
この時から私は先生のことが好きだったんだ。

それから私は度々保健室を訪れるようになった。

しんどくなった時も、

そうじゃない時も。

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