忘れんなよ、 (ページ9)

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『あの、康二くん、この方々は…？』

向井
｢えっ、｣

流石にこんなん動揺隠されへん。

深澤
｢康二どうした？｣

向井
｢え？あ、いや…
Aも目さめたとこやし、疲れてるやろ。ゆっくり休み？｣

苦し紛れに吐き出した言葉はどこまで誰に届いてるか分からないけど、俺はその場に居られなくなって病室を後にした。

そんな慌てた俺の様子に変に思ったメンバーが何人か追いかけてきてくれてるのを背中に感じながら、とにかく人のいない所を探して落ち着きたかった。

深澤
｢え、おい、康二ちょっと待てよ。｣

宮舘
｢俺も追いかけるわ。｣

佐久間
｢俺も｣

目黒
｢俺も行きます。｣

チーフマネージャー
｢あとのメンバーもそろそろ仕事行かないといけないから準備して。｣

｢｢｢はい、｣｣｣

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side．Fukazawa

深澤
｢おい康二どうしたんだよ。｣

康二に追いついて聞いてみると、肩を震わせながら振り返った康二。
その目には溢れんばかりの涙が溜まっていた。

宮舘
｢え、ちょ、どうした？｣

向井
｢A、俺らの、Snow Manのこと忘れてるかも知らん…｣

深澤
｢え？どういうこと？｣

佐久間
｢さっきAになんて言われたの？｣

向井
｢ちっさい声で、『康二くん、この方々は誰ですか』って…｣

目黒
｢…っ、｣

向井
｢俺の呼び方も康二くんやったし、もしかしたら入所してすぐくらいまでの記憶しか残ってないんちゃうかなって…

俺らとの楽しかったこと全部忘れてるんかもしれん…！｣

そう言って声を漏らしながら栓が外れたように泣き崩れた康二。
俺はそんな康二を支えることしか出来なかった。

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