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そして迎えた退院の日。
記憶以外はどこも正常で、何ともなかったので予定通りに退院ができた。
その日はSnow Manのマネージャーさんが迎えに来てくれた。
マネージャー
「おかえりなさい。」
『えっと、ただいま…?』
マネージャー
「お医者さんから聞きました。記憶のこと。」
『あ、ごめんなさい…』
マネージャー
「なんで謝るんですか。記憶がなくても、Aさんは仲間なんで。」
『…ありがとうございます。』
少しだけ元気が出た気がした。
マネージャー
「あと、一応メンバーの皆さんも知ってます。すみません、勝手に言っちゃって…」
『いえ、私だったらなかなか言えなかったと思うから…
みんなも心の準備必要だと思うし、寧ろありがとうございます。』
言ってくれて良かった。
それは、自分の素直な気持ちだった。
マネージャー
「あ、すみません。この後向井さんだけ拾って一緒に送り届けてもいいですか?」
『大丈夫です。ありがとうございます。』
マネージャー
「ありがとうございます。じゃあ出発します!」
『お願いします。』
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康二くんを迎えにフジテレビまで向かった。
ガラッ
向井
「おつかれ〜……!」
ワゴンの扉が開いて目が合うと、康二くんは固まったかのように動かなくなってしまった。
向井
「A…?」
『えっと、こーちゃん…?』
向井
「へ?今こーちゃんって、」
『あ、こう呼んでたって聞いて…違いました?』
向井
「いや、合ってる。思い出したんかと思った…」
『あ、いや、ごめんなさい…』
向井
「あぁ!そんなしょぼくれんといて?
話は聞いてんねん。俺らのこと…Snow Manの記憶が無いんやろ?」
『はい…』
向井
「…なんか嫌やわそれ。」
『え?』
向井
「その敬語。せっかく取れたのに悲しい。」
『や、でも、私の今の記憶では…』
向井
「ファンの人にもそんなよそよそしいの見せるん?」
『え…』
向井
「厳しいこと言うようやけど、ファンの人はそんなん見たないと思うで?
俺も教えるし、できるだけ元に近いようにしな。ファンの人心配すんで。」
『そう、ですよね…』
向井
「はい、じゃあ練習な?敬語無くすのも、こーちゃんって呼ぶのも。」
『わ、わかった。』
康二くんの言っていることは的を得ていた。
そうだよね、気をつけないと。
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作者名:あおだるま | 作成日時:2024年1月4日 22時