hazel eyes 5 ページ48
それから俺は番組側と、例の会社側から様々なことを説明された。
与えられたアンドロイドと、一ヶ月間同居をすること。週に一度二人で外出をし、その様子を撮影すること。
基本的に生活の中で、アンドロイドと何をするのも自由なこと。
もし、アンドロイドと一緒に生活をし、使用感を気に入った場合、そのままアンドロイドが会社側から贈られること。
彼女には、事前に俺が答えたアンケート内容を元に情報が色々インプットされているらしく、俺の名前はもちろん、生年月日に職業や性格、その他諸々のことを把握しており、生活に問題はないらしい。
ちなみに、良好な関係を築くにあたり、使用者側の俺のバックボーンが重要視されているようだ。
俺には姉がいるので、それを加味した、アンドロイドの容姿等の設計らしい。恐らく親近感をより抱きやすくするためだろう。
それにしても、だ。
まさか、こんなことになるなんて。誰が予想できただろう。
俺はてっきり、青いネコ型ロボットと友達になって、便利な四次元ポケットの恩恵を受けられると思っていたのだ。
「…どこでもドア、欲しかったんだけどな」
ちら、と彼女の方を見る。
たしかに俺は最近、相方には及ばずとも、ありがたいことに仕事も忙しくなってきて、家事をする時間だって惜しい。
それをこの、楽屋の隅で微動だにせず立っている彼女が代わりにやってくれるのだから、こんなにありがたいことはない、けど。
大丈夫、なのかな。
漠然とした、不安…みたいなものが俺を襲う。
それはなんだろう。機械とはいえ、"女性"を模した存在と共に暮らすことに対する不安なのか。
"ロボットと友情を育む"だなんて、できそうもない企画を真っ当できるかどうかの不安なのか。
わからないけれど。
「……とりあえず、帰ろうか」
先程初めて顔を合わせた彼女の前に歩み寄り、声をかける。
「はい」
こくりと頷く。すんなりとした返事。俺をじっと見、ぱちぱちと一定の感覚で繰り返される瞬き。
全てが人間のようで、でも…これは、"こうすれば人間らしいから"と、言わばプログラムされた行動を"させられている"だけで。そんな彼女を、なんというか…
可哀想に思う。
こんな、俺と生活をさせられる彼女を。
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楪(プロフ) - 喫茶店さん» コメントありがとうございます！穏やかな空気感と丁寧な描写...！具体的なお褒めの言葉ありがとうございます！描写はいつも気をつけている点なので特に嬉しいです！これからも頑張りますので、応援よろしくお願いします！ (2020年3月12日 13時) (
レス) id: d47ce339d2 (このIDを非表示/違反報告)
喫茶店 - 初めまして。穏やかな空気感と丁寧な描写が素敵ですね。もちろんドキドキします！これからも更新を楽しみにしています。 (2020年3月12日 0時) (レス) id: 6d6dcef09a (このIDを非表示/違反報告)
楪(プロフ) - みみっくさん» わーい！コメント嬉しいです！ありがとうございます！！応援もありがとうございます〜頑張りますね！！ (2020年3月11日 22時) (レス) id: d47ce339d2 (このIDを非表示/違反報告)
みみっく(プロフ) - 更新頻度高いのに内容面白いしもう神です！更新頑張って下さい！ (2020年3月11日 20時) (レス) id: d5fadfa717 (このIDを非表示/違反報告)
楪(プロフ) - azuさん» azuさんこんにちは！文章の書き方褒めていただけて嬉しいです...！私が初めて見た石橋さんの小説がazuさんの小説なので光栄です...！笑 マイペースでですが、更新していけたらなと思ってます:-） (2020年2月15日 21時) (レス) id: d47ce339d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：楪 | 作成日時：2020年2月15日 19時
