hazel eyes 1 ページ44
長机にパイプ椅子。俺の向かいにはディレクターさんと俺らのマネージャーと、なんか…すごそうな人が腰掛ける。
三対一の圧倒的不利な状況。いや…別にこれから戦闘するというわけでもないんだけど。ちゃんと自立した成人になったつもりでいたんだけど、案外、相方二人がいないってだけでこんなにも心許ないんだな、と感傷に浸る。
手元の資料に目を落とし、ポツリ、呟く。
「『ロボットは、人間と友達になれるのか』……これが、企画名ですか?」
「はい、それを今回石橋さんにやっていただこうと思いまして」
「はぁ…」
思わず訝しげな表情を浮かべてしまった気がする。でも、それも無理ない気がした。だって、拓実でも、都築でもない。一番影の薄い俺に突如舞い込んできたピンの仕事。なんだ?大食いか?と思っていたら、何…?ロボット……?
「…といっても、こんなこといきなり言われてもピンと来ませんよね。説明致します」
と口を開いたのは、すごそうな人。少し貫禄のある人だ。
「弊社はですね、家事お手伝いロボット というのを幅広く扱っていまして」
「ああ、よく聞きますよ。掃除機の」
「そうですそうです。そんな感じでして。今弊社が最も力を入れて作っているのが、今回石橋さんに使用していただきますモデルのものでして」
「その、友達…というのは?」
俺が問えば、待ってましたと言わんばかりに笑って、さらに説明を続ける。
「そのモデルはですね、所謂人工知能を搭載してます。ですから私たちと会話をすることも可能なんですけれども…」
「お、おぉ…」
なんだかすごい話すぎてちょっと頭がついていかないが、とりあえず大人しく説明を聞いてみることにした。
153人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
楪(プロフ) - 喫茶店さん» コメントありがとうございます!穏やかな空気感と丁寧な描写...!具体的なお褒めの言葉ありがとうございます!描写はいつも気をつけている点なので特に嬉しいです!これからも頑張りますので、応援よろしくお願いします! (2020年3月12日 13時) (レス) id: d47ce339d2 (このIDを非表示/違反報告)
喫茶店 - 初めまして。穏やかな空気感と丁寧な描写が素敵ですね。もちろんドキドキします!これからも更新を楽しみにしています。 (2020年3月12日 0時) (レス) id: 6d6dcef09a (このIDを非表示/違反報告)
楪(プロフ) - みみっくさん» わーい!コメント嬉しいです!ありがとうございます!!応援もありがとうございます〜頑張りますね!! (2020年3月11日 22時) (レス) id: d47ce339d2 (このIDを非表示/違反報告)
みみっく(プロフ) - 更新頻度高いのに内容面白いしもう神です!更新頑張って下さい! (2020年3月11日 20時) (レス) id: d5fadfa717 (このIDを非表示/違反報告)
楪(プロフ) - azuさん» azuさんこんにちは!文章の書き方褒めていただけて嬉しいです...!私が初めて見た石橋さんの小説がazuさんの小説なので光栄です...!笑 マイペースでですが、更新していけたらなと思ってます:-) (2020年2月15日 21時) (レス) id: d47ce339d2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:楪 | 作成日時:2020年2月15日 19時