君だけを 2 ページ35
石橋遼大今朝は慌ただしくてごめん
石橋遼大おかげさまで間に合った
月島Aそっか!それなら良かった!
月島Aお仕事頑張ってね!
石橋遼大ありがとう。いってきます
「…ふふ」
絵文字の少ない、淡白な文面と、対象的な可愛らしいスタンプに思わず頬が緩む。
最近、石橋くんは本当に忙しそう。大変そうだけれど、楽しそうでもある。だからこそ、本人の満足がいくように頑張って欲しいと心の底から思う。
「…なーにニヤニヤしてんの」
茶化すような声音にハッとして、スマホから顔をあげれば、昔から変わらない、私をからかうような笑顔があった。…お手洗いに行ったと思ってたのに。もう帰ってきたんだ…
「…べ、別に」
顔に出ないよう、ましてや赤くなったりしないよう意識して返したら、変に眉間に力が入ってしまったような気がする。あえてつっけんどんに返せば、幼なじみ…というか、最早腐れ縁の、光はカラカラと笑う。
「相変わらずわっかりやすいな〜。バレないと思ってんの？」
「…何が」
「どうせ男だろ？オ、ト、コ」
全てを見透かしたように、わかりきってますみたいな態度で言われたのが癪で。
恥ずかしがったり動揺したりするのも馬鹿らしくて強がってみる。
「…だ、だったら？悪い？」
「え…まじ？」
光は、最近会っていない間に随分と垢抜けた。今日久しぶりに飲みに行く約束をして会って、かなりびっくりしたのだ。たしかに昔から社交的で明るい人だったけれど、だからといって派手な容姿はしていなかったし。
久しぶりに会った光はどういう心境の変化か、服のセンスも良くなって、髪も茶髪になって。オシャレな髪型で。でも、根本的なところは変わらない。
例えば、ほら。表情に出やすいところとか。
「…何」
「え、まじか。半分冗談だったんだけど」
驚いてポカン、と開かれた口に入り損ねて、ポロリと落ちた、居酒屋テッパンのバターコーン。汚っ、なんてわかりやすく声を上げて、顔を顰めてみせたら、いよいよ光はあわあわと慌てふためく。
「え、え、まじかー。えっ、そっかー…」
「…何よ。彼氏いちゃ悪い？」
「いや、悪かねぇけど…ほら、昔っからお前、男っ気なかったじゃん？どうせ今も誰とも付き合わずのらりくらりしてんのかなって思ってたからさぁ」
光はバツの悪そうな顔をして、それを誤魔化すように泡の消えたビールをぐび、と呷る。
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楪(プロフ) - 喫茶店さん» コメントありがとうございます！穏やかな空気感と丁寧な描写...！具体的なお褒めの言葉ありがとうございます！描写はいつも気をつけている点なので特に嬉しいです！これからも頑張りますので、応援よろしくお願いします！ (2020年3月12日 13時) (
レス) id: d47ce339d2 (このIDを非表示/違反報告)
喫茶店 - 初めまして。穏やかな空気感と丁寧な描写が素敵ですね。もちろんドキドキします！これからも更新を楽しみにしています。 (2020年3月12日 0時) (レス) id: 6d6dcef09a (このIDを非表示/違反報告)
楪(プロフ) - みみっくさん» わーい！コメント嬉しいです！ありがとうございます！！応援もありがとうございます〜頑張りますね！！ (2020年3月11日 22時) (レス) id: d47ce339d2 (このIDを非表示/違反報告)
みみっく(プロフ) - 更新頻度高いのに内容面白いしもう神です！更新頑張って下さい！ (2020年3月11日 20時) (レス) id: d5fadfa717 (このIDを非表示/違反報告)
楪(プロフ) - azuさん» azuさんこんにちは！文章の書き方褒めていただけて嬉しいです...！私が初めて見た石橋さんの小説がazuさんの小説なので光栄です...！笑 マイペースでですが、更新していけたらなと思ってます:-） (2020年2月15日 21時) (レス) id: d47ce339d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：楪 | 作成日時：2020年2月15日 19時
