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特別な夜 6 ページ31

石橋くんの少し幼い笑顔を見ていたら
どんどん幸せな気持ちになってきて

「かわいー…」

「え?」


思わずポツリと零れた言葉に口を噤む。石橋くんは、…というより、大抵の男の人は可愛いだなんて言われてもあまり嬉しくない。厳密に言うと、男の人が思う「可愛い」と、女の人が(特に恋人とかの)男の人に言う「可愛い」は意味合いが微妙に違ってくると思うんだけど。
石橋くんも例に漏れず、「可愛い」と言われることをあまり快く思っていない覚えがあるので、つい、ごめん…と小さく告げる。


「…可愛いって言った」

「ごめん…」

「可愛いって言われるの…嫌なんだけど」


そりゃそうだ。男の人なら、ましてや彼女に言われる言葉なら「可愛い」よりも「かっこいい」とかの方が嬉しいに決まってる。ごめん、ごめんね。だけど…本当のことなんだよ…。


「……でも」

「…?」


ふと俯いた石橋くんが、ちら と私を見上げる。


「Aだから、…良いよ」


恥じらいながら、遠慮がちに発せられた声、子犬みたいに、私を見つめる甘えるような目、ちょっと微笑みを湛えた唇。
見たことないその表情に、心を奪われていると




次の瞬間、視界が暗くなる。


「わ、」

「はい、次Aの番〜」


楽しげに弾んだ声に、すぐさま明るくなった視界。視界いっぱいに広がった屈託のない笑みを浮かべる石橋くんは私の頭を、子犬にするみたいにわしゃわしゃ掻き混ぜる。


「ふふ、油断したでしょ」

「油断した」

「スキあり〜」


おどけたように笑う石橋くんの笑顔が、心底好きだと思う。
ああ、どうか。この先もこの笑顔を隣で見ていたい。

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設定タグ:四千頭身 , 石橋遼大   
作品ジャンル:タレント
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(プロフ) - 喫茶店さん» コメントありがとうございます!穏やかな空気感と丁寧な描写...!具体的なお褒めの言葉ありがとうございます!描写はいつも気をつけている点なので特に嬉しいです!これからも頑張りますので、応援よろしくお願いします! (2020年3月12日 13時) (レス) id: d47ce339d2 (このIDを非表示/違反報告)
喫茶店 - 初めまして。穏やかな空気感と丁寧な描写が素敵ですね。もちろんドキドキします!これからも更新を楽しみにしています。 (2020年3月12日 0時) (レス) id: 6d6dcef09a (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - みみっくさん» わーい!コメント嬉しいです!ありがとうございます!!応援もありがとうございます〜頑張りますね!! (2020年3月11日 22時) (レス) id: d47ce339d2 (このIDを非表示/違反報告)
みみっく(プロフ) - 更新頻度高いのに内容面白いしもう神です!更新頑張って下さい! (2020年3月11日 20時) (レス) id: d5fadfa717 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - azuさん» azuさんこんにちは!文章の書き方褒めていただけて嬉しいです...!私が初めて見た石橋さんの小説がazuさんの小説なので光栄です...!笑 マイペースでですが、更新していけたらなと思ってます:-) (2020年2月15日 21時) (レス) id: d47ce339d2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年2月15日 19時

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