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特別な夜 2 ページ27

「ありがとうございました〜」


私が受け取ったレジ袋を、さも当然のように取り上げて持ってくれるのが嬉しくて。

些細なこと一つ一つがすごく嬉しい。
これってきっと、付き合いたての特権だ。

だから、勇気を出して、何も持っていない方の手にそっと触れる。ぴくっと指先が震えて、見れば、石橋くんはびっくりしたように私を見ていて。


「…な、なに?」

「手、繋ご?」

「……う、うん」


石橋くんはまたドギマギして。
かっこいいし、運動できるし、面白いし
女性からの人気もすごいから、女性経験がないっていうのもキャラクターなのかと思っていたけど、こういう反応を見ると、本当に慣れてないんだな、って感じがして微笑ましい。

こればっかりは好みによるけど、私は女性慣れしていてチャラチャラした人よりかは、こういう初心な人の方が愛しくて、好き。


会うなり手を繋いで、当然のように恋人繋ぎをして、どこに行くにもずっと繋いでラブラブで…っていうカップルも悪くは無い。

でもこうやって、遠慮がちに恐る恐る手を繋いで、お互い緊張で少し汗ばんだ手を 嫌がられないかな って不安になりながら、控えめに緩く絡ませて
夜、二人っきり 喧騒から逃れるように、隠れるように
そっと寄り添うみたいなこの距離感が私はもっともっと好き。

石橋くんは人気者。
たしかに、いつも活躍するあの3人の中では控えめな立ち位置にいるかもしれない。それでも彼は芸能人。彼のファンもいっぱいいるし、彼の評判や好感度も彼一人のものでは無い。だから、白昼堂々女と手を繋いで歩くわけにもいかない。

だからせめて
こんな夜くらい、良いよね?


そんなことを考えながら、石橋くんを見上げたら
石橋くんは、かぁっ と赤面して、目を逸らした。

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設定タグ:四千頭身 , 石橋遼大   
作品ジャンル:タレント
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(プロフ) - 喫茶店さん» コメントありがとうございます!穏やかな空気感と丁寧な描写...!具体的なお褒めの言葉ありがとうございます!描写はいつも気をつけている点なので特に嬉しいです!これからも頑張りますので、応援よろしくお願いします! (2020年3月12日 13時) (レス) id: d47ce339d2 (このIDを非表示/違反報告)
喫茶店 - 初めまして。穏やかな空気感と丁寧な描写が素敵ですね。もちろんドキドキします!これからも更新を楽しみにしています。 (2020年3月12日 0時) (レス) id: 6d6dcef09a (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - みみっくさん» わーい!コメント嬉しいです!ありがとうございます!!応援もありがとうございます〜頑張りますね!! (2020年3月11日 22時) (レス) id: d47ce339d2 (このIDを非表示/違反報告)
みみっく(プロフ) - 更新頻度高いのに内容面白いしもう神です!更新頑張って下さい! (2020年3月11日 20時) (レス) id: d5fadfa717 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - azuさん» azuさんこんにちは!文章の書き方褒めていただけて嬉しいです...!私が初めて見た石橋さんの小説がazuさんの小説なので光栄です...!笑 マイペースでですが、更新していけたらなと思ってます:-) (2020年2月15日 21時) (レス) id: d47ce339d2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年2月15日 19時

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