4話 ページ5
｢今日は菅原来ないってよ｣
運動着を来ていたキヨくんが私にそう話しかけた。
＊＊＊＊
｢じゃあ俺は職員室に行ってるからなんか会ったら来いよ｣
ぴしゃりとドアを閉めてスタスタと先生は行ってしまった。
静まる教室、というのも当たり前か。出されたプリントを黙々と自習する。今日はこれが終わらないことには帰れないらしい。
すがしゅんが来ないと言われ今日は気まずいなぁと思ったが自習なら手持ち無沙汰になることもない、淡々と自分のやるべきプリントをこなせばいい。
｢なぁ｣
あああ...はやくもフラグ回収お疲れ様です。素晴らしい仕事裁きでした。
｢どうした？｣
｢お前って菅原と付き合ってんの？｣
｢えーないない、付き合ってないよ｣
｢ふーん｣
｢なんで？｣
｢学校一緒にきてたりしてたし、仲良さげだから？｣
｢あーたまたま、最寄り駅違うけど登校時間一緒なんだよね。｣
｢ふーん｣
また静まる教室、気まずいような、これで会話を一区切りしてもいいような。うーん、話続けた方が良いのかなあ、でも自習中だし話しかけたら迷惑かな。
｢清川くんは最寄り駅どこ？｣
｢ん？｣
｢高校の最寄り駅で見かけたことないなぁと思って｣
｢あー、俺徒歩だから｣
｢へー家近いんだ｣
｢や、駅通りすぎるからちょっと遠いんだよね｣
｢ふーん｣
わりと話が弾んだことだしそろそろ自習しなくてはとお互いプリントに取り組む。
＊＊＊＊＊＊＊
｢ん〜...！｣
プリントを終え、凝り固まった肩をほぐそうと思いっきり伸びをする
｢もう終わったの！？｣
｢...教科書見ながらやったから！｣
バツが悪く、へへっと笑いながら誤魔化す。
しょうがない、分からないものは分からない。数学じゃあるまいし英語はいくら考えても分からないもんなんだって母さんが言ってた。
｢ずり〜よ〜！｣
バタンと顔を机に伏せたキヨくん。
｢どーする？写す？｣
｢写す！｣
バッと伏せていた顔をあげたキヨくんは笑っていた。
(あーそう言えば笑った顔初めてみたかも)
細く歪められた目の形、八重歯とかえくぼとか
クシャ顔ってーの？男の子っぽい笑い方だ
｢色々間違えてると思うけどいいよね｣
｢いーよいーよ、どうせ先生も俺らが満点とるなんて思ってねーし｣
(それもそうか...)
あとはこのプリントを先生に渡すだけ、提出した後は帰れる。終わったーという意味でもう一度伸びをする、とりあえず今日は心臓に悪い日だった
｢Aちゃん、一緒に帰んね？｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 169人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「実況者」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒毛和牛(プロフ) - なつみ@にゃっつんさん» ありがとうございます！長らく更新が出来ず申し訳ありません...近日中には更新が出来そうなので引き続きお楽しみ頂ければ幸いです！ (2018年8月12日 1時) (
レス) id: 1ef88e6c34 (このIDを非表示/違反報告)
なつみ@にゃっつん(プロフ) - とりあえずとてもとてもとても、キヨが尊いです(((( 楽しく拝見させていただいてます！これからも頑張ってください！ (2018年8月11日 22時) (レス) id: ed542c7469 (このIDを非表示/違反報告)
黒毛和牛(プロフ) - うまださん» ありがとうございます！拙い文面ですがこれからも楽しんで頂ければ幸いです！ (2018年7月13日 21時) (レス) id: 1ef88e6c34 (このIDを非表示/違反報告)
うまだ - 面白くて大好きです!この小説のキ大好きです！応援しています、頑張ってください! (2018年7月11日 17時) (レス) id: 98c4331093 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：黒毛和牛 | 作成日時：2018年6月11日 2時
