迷惑 ページ27
目を冷ますと見慣れた天井と、慣れているベッドの感覚からして自分の部屋だとわかる。
生きてたんだ。
窓からの光が眩しい。
おでこがひんやりするので触ってみると冷えピタが貼られていた。
まさか…
嫌な予感がして、冷蔵庫を見ると丁寧にポカリやらが入っていた。
恵にお礼を言わなきゃ。
すると、急にドアが開いて恵が入ってきた。
「A!!」
『え、あ、おはよう』
必死になっている恵を見てどんな反応をすればいいかわからず曖昧に返した。
「心配したんだぞ!虎杖や、釘崎…五条先生だって」
『ご、ごめん。あ、これ恵?わざわざありがとう』
「?いや、俺じゃないぞ」
その言葉と共に血の気が引いていく気がした。
てっきり恵かと思っていたが、違うなら一人しかいない。
「とりあえず家入さんに報告だな。」
『あ、そうだね』
慌てて恵について行こうとすると、ベッドに戻される
「お前は寝てろ。病人なんだ」
『いや、でもっ…』
途中で恵の好意を受け取らないのも失礼だと思って素直に甘えておいた。
ベッドに戻って窓の外をボーッと眺める。
「なにしてんの?」
っ…
聞きたくない声がしてドアのところへ視線を写すと、五条先生がいた。
今会いたくない人ランキング一位だ。
『…こんにちは』
何も言えず挨拶をする
「あのさぁ、僕挨拶がしたいわけじゃないんだけど」
『ごめんなさい』
なにも言えずにうつむいてなんとか声を振り絞って言えた言葉だった。
「ッチ…今回の任務でわかっただろ自分がどれだけ呪術師に向いていないか」
そうだ。
五条先生の言うことはいつも筋が通っている。
今回自分はどれだけの人に迷惑をかけたのだろう。
本来の任務目的である一級だって、私は倒せなかった。
もし、私があのとき任務を休んでいたら。
もし、あの日早く任務を終わらせて休憩していれば。
もっと、早く任務を終わらせる実力があれば。
そんな、タラレバが思い浮かんできて、
私はどうしたら人に迷惑をかけないの?
私は生きてるだけで迷惑?
そう考えていると、シーツがポタ、ポタと濡れていく。
「…いい加減にしろよ」
それだけ言って部屋から出ていってしまった。
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澪 - 五条彩香さん» ありがとうございます!最近更新できてなくて申し訳ないです… (2021年4月1日 20時) (レス) id: a9208a7dcd (このIDを非表示/違反報告)
五条彩香(プロフ) - 更新頑張って下さい^_^ (2021年3月30日 3時) (レス) id: f42b11f826 (このIDを非表示/違反報告)
澪 - あ ま ね 。さん» ありがたいお言葉ありがとうございます!個人的にもピアスの話とかイメチェンの話はお気に入りなんです!気に入って頂けて幸いです。テスト期間なので更新速度遅くて申し訳ないです…これからも頑張りますね! (2021年2月5日 20時) (レス) id: a9208a7dcd (このIDを非表示/違反報告)
澪 - 紅さん» ありがたいお言葉ありがとうございます!皆様の応援を糧にこれからも更新頑張りたいと思います!返信遅れて申し訳ないです。 (2021年2月5日 20時) (レス) id: a9208a7dcd (このIDを非表示/違反報告)
あ ま ね 。(プロフ) - 夢主ちゃんの境遇とか傑とのピアスの思い出話?最高です‥。次の話が楽しみすぎます!!!更新楽しみにしてます!!! (2021年2月2日 23時) (レス) id: 36c644cd03 (このIDを非表示/違反報告)
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