雨。 ページ19
莉犬side
莉「あめ、か…」
最近ずっと雨。
雷も鳴ってる。
『ん』
莉「A、起こしちゃった？」
『ううん、』
莉「今日、辛い？」
『うん…』
莉「起きれそう？」
『や、』
Aは偏頭痛持ち。
気持ちが不安定だったり、疲れが溜まっていたりすると、頭が痛くなるらしい。
雨が重なっちゃうともっと酷くなるから、気をつけてはいるんだけど、本人が休むのを疎かにすると元も子もない。
莉「昨日早く寝なって言ったよね？明日雨みたいだからって。るぅちゃんにも言われてたよね？」
『言われたけどっ、終わんなかったからっ、、でもっ、ちゃんと寝たっ』
莉「あぁ、泣かないの。怒ってないから」
涙目だった目から、雫が流れた。
『ちゃんと、言うこと聞けなくて、ごめんなさいっ』
駄目だ、このままだとトラウマに囚われる。
るぅとside
朝に弱い2人だけど、あまりにも遅すぎて。
部屋に入ると、ベッドに腰掛ける莉犬と、顔を顰めて涙を流すAがいた。
今日雨だからね。
予想は付いてた。
る「おはよう、莉犬。偏頭痛？」
莉「うん…今日はキツいみたいで。あと、トラウマが出始めてる。」
る「そっか…おはよう、A。頭痛いの？」
『るぅちゃん…！ごめんなさいっ、ごめn』
る「それ以上言わないで。Aは何も悪くない。」
嗚咽混じりに謝るAの口を手で塞ぐ。
Aが前の家で発言権も生存権も無かったのは確か。
そんななかで育って、なんのトラウマもなく生きれるはずがない。
る「よく頑張ったね。もう大丈夫。」
莉「るぅとくん、俺、みんなに言ってくるね。」
る「お願い」
静かに部屋を出る莉犬の顔は曇ってた。
る「A、莉犬も心配してる。早く治そうね。」
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作者名：スズレカ | 作成日時：2021年4月8日 0時
