寂しい ページ16
ななもりside
家のみんながほとんど寝静まった深夜。
俺は今、自分の部屋で生放送してる。
な「さて、そろそろお開きにしますかねー」
いい頃合いを見計らって、生放送を閉めようとしていたら、ドアがノックされた。
な「?ちょっと待ってね!」
ミュートにして、席を立つ。
な「どうしたの?A」
長い黒髪に長袖のパジャマを着て。
俺より小さいから、必然と上目遣いになる両目には涙が溜まっている。
な「どうした?なんかあった?」
『なな…ほーそーしてたの?』
な「うん、そうだよ?」
『ごめん、何でもない。邪魔してごめんね。おやすみ。』
急いで部屋に戻ろうとするAを捕まえる。
な「大丈夫だよ、A。そろそろ終わりにする予定だったから。取り敢えず、中入って。」
若干強引に部屋に入れて、ベッドに座らせる。
な「お待たせ!」
生放送を閉めるために、ミュートを解除した。
ーーー
生放送を終わらせて、Aを見た。
よく見れば、握り締めた手から軽く血が出てる。
な「A、手、解いて。」
『え、あ、ど、どうしよ…』
な「落ち着いて、大丈夫だから。』
取り敢えず、止血して、話を聞き出す。
な「なんかあったの?」
『……た』
な「え?』
『寂しかった…』
な「どうして?」
『分かんない…でも、寂しかった、から…』
不安になっちゃったのかな?
最近はみんな忙しかったから、Aに構ってあげられなかったしね。
な「よし!今日は一緒に寝よっか!」
『え、でも、』
な「寂しかったんでしょ?今日くらい甘えてもいいんだよ?」
Aは強がりだから、普段から甘えないってのもあるし。
『…寝る』
な「うん!じゃあ電気消すよ〜」
俺のパジャマを軽く掴むAを安心されたくて、優しく抱きしめる。
な「おやすみ、A」
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作者名:スズレカ | 作成日時:2021年4月8日 0時