【ヒロアカ】双子のヒーローは最強です！Part２ (ページ47)

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夜10時

いつもの時間、いつもの公園、
いつも先にいる彼の姿はなかった。

蒼桜(お兄さん……遅いな)

いつもは2人でいたから気づかなかったけれど夜の公園とはこんなにも薄気味悪かったのか…

今思えば、彼と出会って約1ヶ月
未だに名前も、何も知らない彼と一緒にいた

彼は蒼桜の話を聞いてくれるが自分から話すことは一切なかった

まず、蒼桜も彼に名を名乗っていない。

“不思議な関係”

静かな公園に小さな足音が響く
彼が来たのだと蒼桜は入り口まで迎えに行く

蒼桜「あっ！お兄さ……ん？」

いつもと雰囲気の違う彼に違和感を感じる。
彼の瞳は揺れていた。

蒼桜「どうしたの？お兄さん」

？「……今日はあまりここにはいれない」

蒼桜「そうなの？何か用事だった？」

？「……あぁ」

少し残念に思ったが用事では仕方がないと思い、今日はやめようと告げる前に彼が口を開いた。

？「……なぁ、お前に頼みがある」

蒼桜「頼み？」

？「……ヒーローになれ」

蒼桜「えっ……」

初めての彼からの頼み……
一度やめたヒーローになること……

蒼桜「ど、どうして急に…そんな＿＿」

？「ヒーローになって、俺に会いに来い」

2人の間に冷たい風が吹く。

蒼桜「会いに来いって、なんで」

？「俺はヴィランだ」

突然告げられた言葉に目を見開く

？「ヴィランは表に出れば捕まる、だからお前が俺に会いに来い」

蒼桜「……でも、それってお兄さんの敵になるってことじゃ」

？「立場上そうだとしても、俺はお前の敵になんてならない」

蒼桜「でも……」

？「お前は俺と弟を護るためだけにヒーローになればいい」

蒼桜「護るために……」

いつだったか約束した
ヒーローになって衛桜を、家族を護ると…

？「お前はヒーローになって…俺を見つけろ」

初めて見た彼の微笑み
それにトクンっと心臓が鳴るのがわかった

蒼桜「……私、やるよ。ヒーローになる」

？「あぁ……」

蒼桜「それじゃあお兄さん、また＿＿＿＿」

？「まて」

引き止められて後ろを振り向く

？「お前の名前、教えろ」

蒼桜「…私は蒼桜、桜樹蒼桜

お兄さんは？」

？「俺は＿＿＿＿」

2人の間に風が吹く
その風に乗って、どこからか桜の香りがした。