第219話：悪い癖1 ページ25
(忘れてるってか、気にしないってか…なんか無関心なんだよなあ、あの人…)
ともかく、あの二人がいつになく空気が悪かったという世良の直感は外れではないのかもしれない。
昨夜あんなことがあったのだ。
大体の物事は割り切れる大人とはいえ、
根本的に馬の合わない二人にさらに亀裂が入ればそうもなる。
「それでさ、Aさんも手術入ってほしいって」
「なるほど、日程…、……えっ？」
「えっ？」
えっ？ではない。
「は？私も手術に加われって？田村隼人さんの？」
「うん。高階先生が…」
「…………。」
「…嫌かもしれないけど、こればっかりは…」
「いや…、いいんだよ。人命に関わるしそりゃ拒否はしないけど…」
しないけど。
嫌――ではない。もちろん緊張はするが、嫌ではない。驚愕するばかりなだけだ。
(日曜日…予定はないはず…。あーちゃんも他の患者さんも容態の急変がない限りは…)
…まじか、と内心で肩を落としつつ、気を引き締める。受け入れたからにはやり遂げねば。
「えっと、私は高階先生に伝えておけばいい？」
「うん。俺も先生とすれ違ったら伝えておくけど。」
「オッケー。じゃあ、私ちょっと佐伯教授に届けるものあるから」
「うん」
突き当りの廊下。世良と分別するように背を向ける。
途中、あの時に逃れた空き部屋が目に入ったが、避けるように頭から振りほどく。
黙って教授が居るであろう教授室へと向かった。
■
(教授部屋ってめっちゃ威厳あるんだよな…そう見えるように作られてるんだろうけど…)
たまに、ノックするだけでも緊張してしまう。
特に要件があるなどは聞いていないので、恐らくこの教授室に居るはずだ。
(書類渡したら帰る書類渡したら帰る書類渡したら帰る書類渡したら帰る書類書類書類)
自己暗示も極まったところで、A小さくふー…っと息をつき、軽くこぶしを作り、
その扉へと影を落とす。
「…あれ？」
その扉の隙間から、光がこぼれているのを目にした。そこからは教授室が見える。
(入っていいのかな…？)
不躾ながらも、その隙間を覗き込む。
奥に、人影がある。
凝らしてそれを見れば、なんとか正体はぼんやりと理解できた。
(……高階先生…？ と、教授…っぽい影…)
「……私ごとスナイプを…引き抜くということですか？」
「―――君の論文の末尾に記される名前。
それはその研究の――最高責任者を意味する。」
(…え？)
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理音(プロフ) - 更新して欲しいです！！待ってます！！ (7月16日 23時) (
レス) id: d2e2ccbd11 (このIDを非表示/違反報告)
狐海(プロフ) - 更新楽しみに待ってます…！ずっと！！待ってます！！ (2023年4月20日 18時) (レス) id: ce22822f8d (このIDを非表示/違反報告)
理音(プロフ) - 続き気になります！更新楽しみにしています！ (2022年5月13日 19時) (レス) id: d1bb6ccd48 (このIDを非表示/違反報告)
積み荷 - すごく面白くて続きが気になって三回もコメントするDS民ですこんばんは！もう更新はされないんでしょうか…きっとお忙しいのだと思います、事情も知らない外野ですがなんか応援してます！ (2020年2月19日 1時) (レス) id: 03bfdf54f9 (このIDを非表示/違反報告)
昇降機 - めちゃめちゃ面白いですいつまででも待ってます…！原作も読みましたが面白かったです(影響受けた)続きを楽しみにしてます…！ (2020年2月5日 20時) (レス) id: 03bfdf54f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：K | 作成日時：2018年7月21日 20時
