第44話：仮眠室にて2 ページ46
(…見なかったことにしよう)
タブレットの電源を落とし、そっとテーブルの上に置いた。
もう一度渡海の方を見たが、変わらず眠りこけたままだ。
≪「殺したな。」≫
また頭の中で、悪魔が囁く。叫びだしたくなる衝動をこらえる。
(ああ、もう)
あんなことを言われてもなお、
渡海の居座る仮眠室へとやってくる自分も大概であったと、ようやくAは気づく。
それでも逃げはしない。そう思って、震える自分の手をおさえつける。
そっとその場から離れ、再びベッドとベッドの間を通り抜けていく。
「っくしゅん、」
小さなくしゃみをして、Aは仮眠室を去って行った。
■
血まみれだった。自分の手も、服も。
立ち込めるその匂いにむせそうになって、必死にふんばっていた。
目の前には、積み上げられた死体。雑に積み上げられた死体。
まるで命を冒涜するような、ゴミのため場のような光景。
「「お前のせいだ」」
誰かが言い放つ。男か女か、若人か老人かも分からない。どれでもないかもしれない。
ガッ、と足首を掴まれる。悲鳴をあげることもできず、ただ震えて立ちすくむ。
「「お前のせいだ」」
やめて、やめて、私じゃない。私のせいじゃない。私のせいじゃない。私の、私の。
私のせい？
「――――――っぁ、」
ばちん。
弾かれるように、意識が覚醒する。喉がつっかえる感覚がして、Aは息を呑んだ。
「…………。」
夢だった。額にはわずかに冷や汗が残ってて、Aは短く息をつく。
顔を起こし、現状を確認し始める。
医局。目の前には糸結びを練習していた形跡のある模型。閉じられたノートパソコン。
立てかけてあるいくつかのファイル。
…うん。自分のデスクだ。どうやらそのまま寝こけたらしい。
「…うん？」
背中から妙に重さを感じると思いきや、
何やら黒いブランケットがかかっている。
自分のものではない。
「おはよ。」
自分に朝の挨拶をする。この声は、誰だっけ。
ちょうどいい程度に低くて、好青年で、
身長に似合わず犬みたいで、かわいくて、えっと―――。
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K(プロフ) - まきさん» ここにも原作を読んでいる方が…！同士よ…！！ 小説も楽しみにしていただいてありがとうございます！ゆるーい感じで楽しんでやってください！ (2018年5月11日 16時) (
レス) id: ef8449c676 (このIDを非表示/違反報告)
まき - こんにの〜Kさんの、小説大好きです！！私も、原作読了してまして、この小説の次の展開と、ドラマを楽しみにしてます！ (2018年5月10日 21時) (レス) id: db7ab848e3 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - 萌さん» ふおおお、なんと…！！！本当にうれしいです…ありがとうございます(；ω；) えええ！！周りに原作を呼んでいる方が少ないのでとても感激…！！！ドラマも共々に楽しんでやってください…！！！(*／ω＼) (2018年5月5日 22時) (レス) id: ef8449c676 (このIDを非表示/違反報告)
萌(プロフ) - こんばんは(._.) K様の小説がとても好きで、初めてお気に入り機能を使っちゃいました！ちなみに、私も原作読了しておりまして、この小説のこれからの展開をドラマとともに楽しみにしております！ (2018年5月5日 20時) (レス) id: ff80283c46 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - 甘楽さん» もったいないお言葉…！！！応援ありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいです！！今後の展開も見守ってやってください(*^▽^)/ (2018年5月5日 16時) (レス) id: 8206d0720a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：K | 作成日時：2018年5月3日 1時
