第32話：急患1 ページ34
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患者は男性。54歳のO型。緊急搬送。
就寝前に胸の痛みを訴え、同居している息子夫婦により119番救急車。
狭心症。
――昼頃、こちらに緊急搬送された男性と同じ。
心筋梗塞直前。
オペ室へ向かうと、すでに患者は手術台に寝かされ、他の者は器具の用意などを進めている。
すぐさまAもマスクと帽子を引っ張り出す。
「第一助手お前な」
渡海はAの背中に向けて言い放つ。
Aは振り返り、その視線と言葉を受け取った。
「はい！ …………………………は？」
「「「ハァ！？」」」
「うっせえな。第二はそっち」
その決定に困惑する彼らに軽く舌打ちするが、
なかったかのように第二助手と第三助手の采配も進めていく。
けれどみな、一様に納得できていない。
「待ってください！！Aは―――」
研修医です。
第二助手と指名された上級医が反発する。
彼の言葉に、他の上級医や看護師も同様に頷いた。
「執刀医の命令だ」
「っ………なんで…」
「二度言わせるんじゃねえ」
「……っはい」
反発していた上級医は黙り込む。
―――――研修医が、第一助手。
(いやいや)
執刀医の命令。なんて万能な響きなのだろう。
有り得ない。けれど、もうこの悪魔はなんだってありだ。
世良のあの一件を思い出して、Aは半ばやけくそに第一助手として立つことになる。
手術を開始し数十分。Aは口を開く。
「あのですね、わかってると思いますけど、わかってないことの方が多いですよ」
何せ研修医の身分だ。
素人よりはもちろん知識はあるが、実践できるほど知識や現場経験を積んではいない。
「いいから吸引しろ。」
「……はい」
Aは半ば呆れている。渡海のその投げやり感に、腹を立ててもいる。
渡海の言うとおり、血液の吸引に集中する。
吸引し管をなるべく奥に沈めて、臓器を傷つけないようにする。
……でも、なんか
(出血…、多い、ような……)
手術に血は必ずついてくるものだが、にしても、出血が多いように思えた。
それでも手を止めることは許されない。血があるならば、それを吸引するまでだ。
ずず、と吸引器から繋がれた細いホースから、ジュースを空すすりするような音がする。
己の作業に没頭しているために、渡海の手を盗み見ようとしてもそれはできない。
いや、第一助手になったからには、己のするべきことに集中しなきゃいけない。
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K(プロフ) - まきさん» ここにも原作を読んでいる方が…！同士よ…！！ 小説も楽しみにしていただいてありがとうございます！ゆるーい感じで楽しんでやってください！ (2018年5月11日 16時) (
レス) id: ef8449c676 (このIDを非表示/違反報告)
まき - こんにの〜Kさんの、小説大好きです！！私も、原作読了してまして、この小説の次の展開と、ドラマを楽しみにしてます！ (2018年5月10日 21時) (レス) id: db7ab848e3 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - 萌さん» ふおおお、なんと…！！！本当にうれしいです…ありがとうございます(；ω；) えええ！！周りに原作を呼んでいる方が少ないのでとても感激…！！！ドラマも共々に楽しんでやってください…！！！(*／ω＼) (2018年5月5日 22時) (レス) id: ef8449c676 (このIDを非表示/違反報告)
萌(プロフ) - こんばんは(._.) K様の小説がとても好きで、初めてお気に入り機能を使っちゃいました！ちなみに、私も原作読了しておりまして、この小説のこれからの展開をドラマとともに楽しみにしております！ (2018年5月5日 20時) (レス) id: ff80283c46 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - 甘楽さん» もったいないお言葉…！！！応援ありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいです！！今後の展開も見守ってやってください(*^▽^)/ (2018年5月5日 16時) (レス) id: 8206d0720a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：K | 作成日時：2018年5月3日 1時
