２２．涙の名残。〜貴女〜 ページ22
「平日にしましょう。有給を申請します。」
さっきまで和さんに抱きしめられていたのに。
ほっとすると、また涙が溢れそうになります。
『泣いてもいいですよ。』
いつも、どこかで不安だった。
和さんも、母や亡くなった登さんみたいに私を置いていくのではないかと。
一人には慣れていたはずだったのに、和さんと一緒に過ごすようになってから、私の世界には色が増えました。
毎日見る空の色。
電車の窓からの景色。
用意する食事の色。
ゲームの画面の色。
私の周りの世界が、前よりも鮮やかに見えて。
同時に、和さんと一緒にいたい気持ちも膨らみました。
そして、いま一人になったらどうしようという不安も。
普段は全く表に出ない気持ちが、和さんの一言でいとも簡単に溢れてしまって、気付いたら泣いていました。
『私は必ず帰って来るから。帰って来て、貴方と一緒に過ごす時間が好き。』
ありがとう。
「必ず」なんて。
私にもったいないくらいの言葉。
和さんの気持ちが伝わってきて、凄く安心出来ましたよ。
□
・
さて。
豚汁は冷めてしまいましたし、晩ごはんの残りはどうしましょうか？
「私、残りの晩ごはんを明日のお弁当に持っていきます。」
「ごちそうさまですね。…私も。」
「いえ、和さんは私に合わせなくてもいいんですよ？ゆっくり食べてください。」
私は、涙を流したことで何かすっきりして、今日はこのままの気持ちでいたいです。
「じゃあ、豚汁は飲む！ごはんも一緒に食べる！残りは、明日の朝ごはん。」
「分かりました。」
と、自分の分と一緒に和さんの豚汁以外のおかずを片付けようとすると。
「あっ、自分の分は自分で片付けますから。先にお弁当作って、お風呂入ってきたら？」
「え？ええ…」
「まだ、目が少し赤いですよ？顔洗うとすっきりするよ。」
あ…。
彼はお箸を置いて、空いた手で私の目元をちょっと拭った。
自分じゃ全然、気付きませんでした。
和さんはいつも優しいですが、今日は特に優しい。いつもと少し違う和さんに、ドキドキします。
「お言葉に甘えて…先にお弁当作ります。」
「うん。無理しないで。」
私は豚汁の残りを後から温められるように耐熱容器に移して、冷蔵庫へ。
少し残った豆腐サラダとおかずの蒸しカボチャを、お弁当に入れることにする。
あとは。
ウィンナーを焼いてちょっと入れて、ごはんと梅干しも一緒に詰めて、明日のお弁当は完成です。
やっぱり、楽しいですね。
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西 - この方角に福があるはずです
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おちょう(プロフ) - ナリさん» お祝いのメッセージ、ありがとうございます☆フラッシュモブの演出とか、姉の私も聞いてびっくりのプロポーズでした（笑） そんな幸せな空気も大事にしつつ、お話を進めます(=´∀｀)人(´∀｀=) (2016年8月1日 22時) (
レス) id: 81d6a94558 (このIDを非表示/違反報告)
ナリ(プロフ) - 妹さん結婚おめでとうございます＼(^o^)／いいですね♪しかもロマンチックに(笑)更新楽しみにしてます！ (2016年8月1日 12時) (レス) id: 2f90c6a73b (このIDを非表示/違反報告)
おちょう(プロフ) - かよさん» こんばんは☆お待たせしました、昨日はすみませんm(_ _)m そんな、むしろコメント頂けて嬉しいです。ありがとうございます。能瀬さんの方がお姉さんですが、二宮さんは精神的に落ち着いていると思っています。お話は、まだ続きます。 (2016年7月7日 23時) (レス) id: 81d6a94558 (このIDを非表示/違反報告)
かよ(プロフ) - こんばんは☆抱えてるもの持たせてって素敵な言葉ですね☆感動しちゃいます！にのちゃんが守ろうとしてる姿にキュンってします(//▽//)甘い展開も好きです///コメ返ありがとうございます！めちゃ嬉しいです♪相葉ちゃんのと一緒にゆっくり楽しみにしていますね☆ (2016年7月5日 23時) (レス) id: cfef9160fb (このIDを非表示/違反報告)
おちょう(プロフ) - かよさん» こんばんは☆温かいメッセージにコメントまで、ありがとうございますm(_ _)m こちらこそ、よろしくお願いします☆たとえ嫌なことがあっても、二宮さんの一言で泣けます。何だか予想以上に甘い展開ですみません（笑） 明日も続きを書きますので、よろしくです。 (2016年7月5日 23時) (レス) id: 81d6a94558 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おちょう | 作成日時：2016年6月3日 0時
