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「…はい」
『A?俺だけど、開けてくれる?』
ガチャッ
鍵の開く音を聞いて急いでAの部屋へと向かった。
ピンポーン
今度は部屋の方のインターホンを押すと、直接彼女が部屋から出てきてそのまま俺にぎゅっと抱きついた。
抱きついたままの彼女ととりあえず部屋に入った。
「…会いたかった、」
『待たせちゃって、ごめんね』
「今日、仕事でミスしちゃって怒られたんだけど」
『うん、』
「今回の件は私のせいじゃないってみんな言ってくれてたんだけど、どうしても落ち込んじゃって」
…涼太に会いたくなった
泣いていた理由をボソボソと説明したあと、さらに小さな声でそう言ったA。
その姿が愛おしくてたまらなくなった俺は1年前心に閉まった言葉を口に出してしまった。
『ねぇA、今やってる仕事が終わったらさ、仕事辞めちゃえば?』
「…え?」
『今日みたいに泣いてるAにすぐ会いに行けないのは俺が辛いんだよね。俺が養ってくからさ、ずっとそばにいて欲しい。』
涙を目にためながら、頷く彼女に俺はそっと口付けた。
君が泣いていたら俺が絶対笑顔にするからさ。
俺の隣で笑っててよ。
ずっとそばにいてください。
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作者名:かに | 作成日時:2020年7月22日 1時