歌物語【SnowMan】 (ページ2)

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『………ん、』

右手に感じる違和感で目が覚めた。

アラームはまだ鳴っていない。

時刻は6:30。

今日マネージャーが迎えに来るのは8時…だった気がする。
あと…1時間半か…。

寝起きで働かない頭を必死に動かした。

俺が動いたことで隣でまだ寝息を立てる小さな塊が寝返りを打った。

彼女の頭の下からやっと解放された、
俺のなのかどうかも分からなくなるほど感覚がなくなった腕をプラプラとさせた。

『まだ寝かしといていいか、』

今日はグループの仕事だからもちろん彼女も同じスケジュールだ。

ここ最近なにか悩んでいるのか、ボーッとすることが増えた彼女。

「疲れてるだけ。」

と、俺をかわす彼女の手を掴んで引き止めることは出来ない。

なんでって？

だって俺らは「幸せ」になれないから。

いくら俺たちが愛を紡いでも、一生報われることはない。

俺たちが同じメンバーである限り。

それぞれの想いにはすぐ気がついた。

分かっていても、例え通じあえていても、
俺たち(私たち)は「幸せ」になれない。