One Kiss【桃】 (ページ16)

今日:4 hit、昨日:5 hit、合計:17,630 hit

16 ページ16

重岡side

この光景、普通なら修羅場

ただのカップル2組やったら、それを見た俺と雪橋さんはすぐさま2人を引き剥がし問い詰めると思う

でも今回はそうはいかへん

こうさせた犯人は紛れもなく俺

止めに入りになんていけない

やって…やっとあの2人は…

雪橋さんには悪いけど、今だけ2人にしてやりたい

後で俺が責任取るから…

横では雪橋さんが大泣き

そらそうなるよな…俺やって泣きたい

いろんな意味で

雪｢私と白波さんって…なにが違うんだろう｣

重｢…え？｣

雪｢小瀧君にとって、白波さんはやっぱり特別なのかな。幼馴染みで家が隣で…もし私が白波さんの立場だったら小瀧君は私を好きになってたのかな｣

重｢幼馴染みやから、家が隣やから…ってそんなん関係ないと思うで｣

雪｢へ…｣

重｢同じ条件やったとしても、小瀧はAを好きになると思う｣

雪｢どうして…？｣

重｢…運命的な？｣

あの2人は"運命"

そんな言葉で誤魔化したけど

ほんまは雪橋さんよりAの方が優しくて明るくて可愛くて小瀧のタイプだと思ったから

これを雪橋さんに伝えるほど失礼な男やない

いや雪橋さんにもええとこはあると思うで？でも小瀧の好きなタイプに当てはまったのがAやった

それはもうしゃあないこと

雪｢別れた方がいいのかな…｣

重｢それは俺に相談されても…｣

雪｢あ、そうだよね…ごめんなさい｣

雪｢でも重岡君は…？もし私と小瀧君が別れて、あの2人がくっつこうとしたら…？｣

重｢あの2人が付き合えばええと思うよ？｣

雪｢それでいいの？白波さんのこと好きじゃないの？｣

重｢もちろん友達として好きやで｣

雪｢じゃあどうして付き合ってるの？｣

重｢えっ…そ、れは…｣

・

俺は正直に今までのことを雪橋さんに話した

雪｢…なるほどね、結局私はダシに使われたってことか｣

重｢ほんまにごめんなさい｣

雪｢重岡君は悪くないよ、あのアホ2人が悪いの｣

重｢はは…｣

雪｢その話聞いて別れる決心がついたよ、あの2人がくっつけば重岡君が手を焼く必要はなくなるのね｣

重｢その通りでございます…｣

雪｢わかった、私がなんとかする｣

重｢ほんま!?｣