Switched#重岡

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貴方side


大ちゃんと付き合い始めてからの帰り道はすごく楽しい

堂々と手を繋いでいられるし、相合傘だって出来る


今日は寄り道して帰ろうかな〜





？「黒瀬先輩！」

「ん？君は…」



確か同じ委員会の…

「佐伯君？だっけ」

佐「そうです、ちょっといいですか」

「うん？」


なんだろ、委員会の話かな





ついていくと、体育館横の大きな木の下に来た



「こんな所で…どうしたの？」

佐「先輩、入れ替わりの能力持ってますよね」

「え……」


なんで佐伯君がそんなこと…

「なんのこと？入れ替わり？」

佐「隠しても無駄ですよ、俺知ってますから」

「なにを？」

佐「重岡先輩とキスして入れ替わってることです」

「ｯ!!どこで…」

佐「道端です。それに修学旅行の時のことも。先輩たちが言ってましたよ、重岡先輩と黒瀬先輩のキャラが入れ替わったみたいだって」



うそ…バレてた…？


「それがなに？君に関係ないよね」

佐「試させてください」

「試す…？」

佐「俺と入れ替わることも可能なのかが知りたいんです」

「でも…私には……」

佐「分かってます、重岡先輩と付き合ってるんですよね。俺はただその能力に興味があるだけです。別に下心があるわけでもないし、先輩に好意を抱いてるわけでもないので、それに黒瀬先輩が男性恐怖症だってことも耳にしてたんで手荒な真似もしませんし、ここは誰も来ないので先輩が黙っていれば重岡先輩にバレることもないですよ」


私が佐伯君にキス…


確かに私も大ちゃん以外の人と入れ替わることも出来るのか気になるけど


大ちゃんを裏切ることになる


これから先、私がなにも言わない限り




それに私がこれ以上佐伯君に近づけるのかな…

キスするとしても震えが出そう…

でも逆に言えば男性恐怖症を克服するチャンスでもある




佐「キスは入れ替わるときの行為、作業だと思ってください。軽くで大丈夫だと思います」

「絶対秘密厳守だからね…」

佐「分かってますよ」









私は佐伯君の肩に震える手をそっと置いた

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