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白憶 ページ10

「A」

「…」

「Aは何を隠してるの?聞かせてよ。私は君の事を…護りたいんだ。」

悲痛な表情の太宰さんは、今にも泣きそうで。

太宰さんに話したら、少しは楽になるかな…なんて、本当はそんな事思ってない。だってどうせ、忘れちゃうんだから。

でも、まぁどうでも良いや。話しても話さなくても結末が変わらないなら、話したって問題無い。
私は起き上がってベッドの上に座ると、彼もその横に並んだ。

そして私は話し始める。私の力の事を。私の、過去の事を。


「私ね、異能力者なんだ。異能力名は“白憶”。効果は、私を知った人の記憶から、私の存在を消すことが出来る。…私の意思に関わらず。」

「えっ、それって…」

「勿論、いつでもって訳じゃないよ。規則性もなくて、ずっと仲良かった人が突然私の事を忘れたり、みたいな。小さい頃は影が薄い、くらいだった。だから私に異能力があるなんて家族も、私でさえも思っていなかった。でも日に日に私の事を忘れる人数と頻度は多くなっていった。」

「なら、あの写真も、私が忘れた時に思い出させる為かい?」

「そ。能力を私がはっきりと自覚したのは中1の時。私ね、小学校が同じで、中学になってから別れたけどそれでも仲良しだった友達がいたの。夏休みも毎日遊んでて、その日も遊ぶ約束をしてた。でも約束の時間を2時間過ぎてもその子は来なくて、気になって家まで迎えに行った。チャイム鳴らして出てきた友達に、約束したのに何で来ないの?って少し怒鳴ったら、その子が怯えた表情で私に、貴方、誰ですか…?って。」

「その子はAの事を…」

「うん、忘れちゃってた。あんだけ遊んだのにこんなあっさりと忘れちゃってさ、本当。薄情だよね。…そんな顔しないでよ、太宰さん。知ってるよ、その子は何も悪くないって。悪いのは私だって。」

「っ、Aの所為じゃ…」

「ううん、私の所為なの。慰めなんて要らない。…話、続けるね。その1件があって私が自覚してから、能力の効果はどんどん肥大していった。で、仕舞いには、どれだけ仲良くなっても1日経つと皆私の事を忘れる様になったよ。勿論、1日では忘れない人も居たけど、それでも1週間もすれば忘れた。それでもね、私の事をずっと忘れないでいてくれた人が居たの。それが…」

「家族?」

「うん。親戚や友達が忘れても、両親と弟は私の事を覚えてくれてた。でもね、高1の時に、テストで私は行けなかったからそれ以外で家族旅行に行ったの。だけど、」

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設定タグ:夢小説 , 文スト , 太宰治   
作品ジャンル:アニメ
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空ノ寂(プロフ) - 七葉さん» ありがとうございます、とても嬉しいです!これからも、応援よろしくお願いします! (2017年12月4日 0時) (レス) id: 6114dac4c8 (このIDを非表示/違反報告)
七葉 - 凄く面白いです!更新頑張ってください!応援してます! (2017年12月3日 23時) (レス) id: 88ee75b376 (このIDを非表示/違反報告)
空ノ寂(プロフ) - uoxCAnz4DFHXBiTさん» ありがとうございます!!そう言っていただけて光栄ですっ!これからも、応援宜しくお願い致します! (2017年11月12日 22時) (レス) id: 6114dac4c8 (このIDを非表示/違反報告)
uoxCAnz4DFHXBiT(プロフ) - めっちゃ面白い!!! (2017年11月12日 22時) (レス) id: 27924cfedd (このIDを非表示/違反報告)
空ノ寂(プロフ) - 洋梨さん» ありがとうございます(T^T)とても、励みになります!これからも頑張って更新していきますので、応援宜しくお願い致します! (2017年11月11日 23時) (レス) id: 6114dac4c8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:空ノ寂 | 作成日時:2017年11月5日 15時

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