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来客2組目(ヘタレとブラコンと怪力) ページ17

*

そして翌朝。

さて、今日も誰かが来るらしいが、また国木田さん達だろうか。忘れられてたら嫌だな。
太宰さんの異能力で思い出してもらえるということは分かっていても、やっぱり忘れられるのは怖い。

グルグルと思いを馳せていたら、ピンポーンとチャイムが鳴る。
はーい、と返事をして、私は玄関のドアを開く。そこに居たのは、

「……?」

知らない3人組。否、多分太宰さんの同僚の方だとは思うんだけど。

チャラそうな茶髪と、黒髪ロングの学生さんと、中学生くらいの金髪の男の子。
何この個性豊かな人達。

茶髪さんが、見た目からは想像も出来ない程穏やかな顔……というか困った顔で笑うと、口を開く。
「太宰さんのお見舞いに来たンですけど、小山Aさんって貴女ですか……?」

あ、やっぱり同僚さんなんだ。

「はい、そうですよ。狭い所ですが、どうぞ上がってください。」

私が茶髪さんにニコリと微笑みかけると、彼は安心したようにふぅ、と息をつく。

何だろ、この人敦君と同じにおいがする。
ヘタレのにおい。


(谷崎side)

「やァ、よく来たね!ナオミちゃんに、け、賢治君に……えっと。」

「谷崎です。」

「谷崎君だ!」

「何でナオミはスラスラ出てきたのに俺は出て来ないンですか!」

「美人の名前は忘れない質なんでね。」

「……何故ですか?」

「それは……美人、だからじゃない?」

……何か違うンだよなぁ、なんて、口にはしないけれど。

以前の太宰さんだったら確実に、心中相手を見つける為だとか答えていたはずなのに。
チラリとAさんを見ると、彼女は首をコクりと傾げる。

屹度、この子の影響もあるのだろう。
太宰さんが自分を殺そうとしなくなったのは。

記憶を失った太宰さんに俺達は、太宰さんの趣味や過去のことを教えなかった。
例えそれが記憶を取り戻すきっかけになったとしても、彼はそれを知ったらまた前のようになってしまうだろう。
今回だって危なかったのだ。次にもっと危険な事をされたら、もう命はないかもしれない。

でも、太宰さんは記憶を失っただけで本質は変わらない。
だから、屹度またすぐに彼は前みたいな日常に戻るんだろうな、なンて俺は思っていたのに。

それでも太宰さんが今、笑顔時間を過ごせているのは彼女のお陰なのだろう。

「ありがとうございます、Aさん。」

ぽつりと呟いたその言葉を聞き取ったらしい彼女はきょとんとした後、屈託の無い笑顔で笑って見せた。

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設定タグ:夢小説 , 文スト , 太宰治   
作品ジャンル:アニメ
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空ノ寂(プロフ) - 七葉さん» ありがとうございます、とても嬉しいです!これからも、応援よろしくお願いします! (2017年12月4日 0時) (レス) id: 6114dac4c8 (このIDを非表示/違反報告)
七葉 - 凄く面白いです!更新頑張ってください!応援してます! (2017年12月3日 23時) (レス) id: 88ee75b376 (このIDを非表示/違反報告)
空ノ寂(プロフ) - uoxCAnz4DFHXBiTさん» ありがとうございます!!そう言っていただけて光栄ですっ!これからも、応援宜しくお願い致します! (2017年11月12日 22時) (レス) id: 6114dac4c8 (このIDを非表示/違反報告)
uoxCAnz4DFHXBiT(プロフ) - めっちゃ面白い!!! (2017年11月12日 22時) (レス) id: 27924cfedd (このIDを非表示/違反報告)
空ノ寂(プロフ) - 洋梨さん» ありがとうございます(T^T)とても、励みになります!これからも頑張って更新していきますので、応援宜しくお願い致します! (2017年11月11日 23時) (レス) id: 6114dac4c8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:空ノ寂 | 作成日時:2017年11月5日 15時

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