お隣さん。【JK】

2 ページ2

.





『スー…スー…』





…いや、席ついて早々寝るて何。





チラッと横を見てみた。





やっぱり顔は見えない。





教室の席は番号順だから、ああ、私は前髪長男の後ろか。





もっと華やかな幕開けになるはずだったのになぁ…。






『これで入学式を終了いたします。
本日は、この後各教室に戻り、
ショートホームルームを行なった上で、
各クラス解散となります。
それでは移動を開始してください。』





「ふぅ…長かったぁ………」





みんなが立ち上がり始める中、たまらず私は伸びをした。





「………よし！……………って、」





立ち上がろうとした時にふと目に入った





隣の前髪くんは(前髪長男呼びめんどくなった)、





静かに寝息を立ててまだ眠っている。





そうこうしている間にみんなは体育館から去っていく。





これ私が起こさなきゃいけないやつか？ん？






「…あの、移動ですよ？」






『…』





…しぶとい。肩をトントンしても起きない。





肩を掴んで軽く揺さぶってみる。





さっきより大きめの声で言ってみる。






にしても、揺さぶりながらに思うのは、






前髪からスッと伸びる鼻がキレイだな。






((むくっ))






「うわああびっくり……やっと起きた。」





『…。』





「……あの、移動ですよ、教室に。」






『………どうも。』





顔も見ずにそう言って立ち上がり、





出口にスイスイ歩き出す前髪くん。






起こしてもらったのに先に行くってどーゆーことよ。






「…………………ま、いっか。





この先クラスでもあんま関わることなさそうだし。」

3→←1

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す