４５話〜コウとの思い出2〜 ページ49
コウの瞳は人の心が読める優れもの。その力を使う事は必ずしもいい事ばかりではない。人の腐った部分や隠すべき所も見えてしまっては、コウの心にどう影響するかもわからない。
「…お姉ちゃんの知り合いにもね、コウと同じ力を持っていた人がいるの。その力がとても魅力的に感じたものだよ。｣
幼い私にはその力に恐れや恐怖よりも、凄いという気持ちしかわかなかった。あの人と同じ、この力を。
「お姉ちゃんはさ、俺がこの力を好き勝手に使っても怒らない？。」
「コウの力をどんな風に使ってもそれはコウの責任けどね、その使い方が人を傷つけるって思ったら怒るし、全力でとめてやろう。」
「うん、わかった。」
コウが大きなあくびをしながら頷いた。今日は色々な事があったからいつもより眠りに入るのが早そうだ。
「おやすみコウ、せめて今度夢など見ずに。」
すっかり眠ってしまったコウの瞼の上にそっと手を置き、ほんの少しだけ魔法を掛けた。朝までぐっすりと寝られるように。
◇
「なーにが、『わかった』よ。好き放題やってんなぁ。」
「うっ…その通りでございます…。」
頭を項垂らせ、心底姉の恐怖に耐えているコウ
父の手紙など色々な所で暴走していた事はしっていたが…。
「あの時無理にでも止めておけばよかったかな。」
一緒に暮らしていた時は兄弟だけだったからコウもそんなに力を使わないでいたけど、私が人間界に行ったあと、成長するに連れ、その目で見えるものしか信じられなくなっていたのか。
「エム猫ちゃんが教えてくれたんだ、目で見るものだけが全てじゃないって、それで忘れてたお姉ちゃんの言葉を思い出したんだ。」
兄弟と目で見えるものだけを信じ、心を読んでは弱みや感情を蔑み見下してきた。
「気がつけて本当によかったよ。」
「今考えたら、あいつらと同じ事してたんだよねぇ。」
ペシっとコウのデコを指で弾いた。かなりの音がしたから痛いだろうなぁ。
「いっったぁ！。」
「ほんとだよ、神様って奴が許してもお姉ちゃんは許しませんよ。」
言葉とは裏腹に笑顔を浮かべていたと思う。甘いなぁ…私も。
ふと時計を見ればかなりの時間がたっていてしまった。
「流石にこの年で一緒には寝ないからね。｣
「えー…。」
変わらずあくびをしながらコウは眠りについた。昔のように私は手をのせ、同じように魔法をほんの少しコウに掛ける。
「お疲れ様。おやすみ。｣
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さらら(プロフ) - チョコミカンさん» ありがとうございます、作品を褒めてもらうととても嬉しいです。お返事が遅くなって申し訳ありませんでした(_ _) (2019年4月14日 1時) (
レス) id: 38606b6bbe (このIDを非表示/違反報告)
さらら(プロフ) - りこ63さん» コメントありがとうございます。読みにくいと言うお声を頂いてなるべく善処しているつもりですが、なにぶん癖で書いているので申し訳ございません。お読み下さってとても嬉しいです (2019年4月14日 1時) (レス) id: 38606b6bbe (このIDを非表示/違反報告)
チョコミカン - 面白いです！更新頑張ってください！ (2018年12月23日 16時) (レス) id: ea092a75bc (このIDを非表示/違反報告)
りこ63(プロフ) - 面白いけど、改行使った方がいいかも (2018年12月6日 18時) (レス) id: b104c4683b (このIDを非表示/違反報告)
優希(プロフ) - さら！うまいよ！！面白いよ！！あ、Twitterで四葉美雪と名乗ってる優希です。(σ≧▽≦)σ (2017年12月19日 19時) (レス) id: 162361c584 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さらら | 作成日時：2016年4月22日 17時
