４３話〜ルキとの思い出2〜 ページ47
初めて家事を教える時疑問に思った事がある。1度も箒や包丁などを使ったことが無いとルキが言っていたからだ。ルキは人間だっだ頃のことを余り語らない。コウやアズサでさえ使い方をしっていたものでさえ、知らなかったのだ。まぁ、教えればすぐに覚えたのだが…。因みにユーマは記憶はなくしているらしいが家事はやったことがある様子であり、何でも粗忽なくこなした。
「幸か不幸か普段の佇まいは生まれを自然と物語るの。あぁこの子はどこか高貴な出だって。」
「くだらない、それだけか。」
「こちとらガキの時から汚い大人と戦おうとしてたの、嘘の一つや二つ見抜けるよ。」
普段より冷たく、ドスの効いた声にルキは背筋に冷たさを覚えた。時折みせる姉の隠された部分は、確かにあのお方の血を継いでいるのだと、疑うことはできなかった。
「初めて会った時に、ルキから腐った人の匂いがした。」
幼い頃から周りはこの匂いに溢れていた。どんなに遠くに逃げたって、逃れることは出来ない。もうそれが、周りから発せられるものなのか、それとも己の物なのかもわからないくらいには浸された。
キッチンには料理の音だけが響き、とても静かに感じる。
「確かに俺は貴族の生まれだ。だかある日、それまで幸福だと思っていたものはまやかしだと気づき全てを失った。」
ルキは失ったあの日のことを思い出していた。母親に捨てられ、父親に置いていかれた忘れられない日のことを。母親だった女の残した手紙と首を吊っていた父親だった男の亡骸を見て全てを理解したあの日のことを。
「人は所詮裏切る生き物だ。簡単に信用するものではない」
信用して傷つくのは己自身。
「何があったか知らないけど…ルキには居るじゃない、“裏切り”とか“信用”とかを飛び越えた、大切な人が。｣
「は…？。」
廊下からドタドタと足音と騒がしい声が聴こえてくる。
「ルキくーん！お姉ちゃんーお腹すいた〜！。」
「急いで飯にしようぜ。」
「ルキ…今夜のメニューはなに…？。」
ね、と言うように弟達の方に首を傾けながらルキを見れば、困ったように微笑んだ。
「ああ…そうだな。」
その言葉が3人に向けられたのか、私に向けられたのかは誰も知らない。
◇
「お姉ちゃん怒ったので焦げた部分は全部ルキに食べてもらおうそうしよう。」
「ええ、Aさん?!。」
「家畜…構わん…。」
「何があったの！。」
え、別にお姉ちゃんは昔のルキ君の事をユイちゃんに話しちゃうぞーなんて言ってないよ、うんうん。
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さらら(プロフ) - チョコミカンさん» ありがとうございます、作品を褒めてもらうととても嬉しいです。お返事が遅くなって申し訳ありませんでした(_ _) (2019年4月14日 1時) (
レス) id: 38606b6bbe (このIDを非表示/違反報告)
さらら(プロフ) - りこ63さん» コメントありがとうございます。読みにくいと言うお声を頂いてなるべく善処しているつもりですが、なにぶん癖で書いているので申し訳ございません。お読み下さってとても嬉しいです (2019年4月14日 1時) (レス) id: 38606b6bbe (このIDを非表示/違反報告)
チョコミカン - 面白いです！更新頑張ってください！ (2018年12月23日 16時) (レス) id: ea092a75bc (このIDを非表示/違反報告)
りこ63(プロフ) - 面白いけど、改行使った方がいいかも (2018年12月6日 18時) (レス) id: b104c4683b (このIDを非表示/違反報告)
優希(プロフ) - さら！うまいよ！！面白いよ！！あ、Twitterで四葉美雪と名乗ってる優希です。(σ≧▽≦)σ (2017年12月19日 19時) (レス) id: 162361c584 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さらら | 作成日時：2016年4月22日 17時
