４２話〜ルキとの思い出〜 ページ46
「あ、いけない！。」
夕食の料理の匂いが立ち込めるキッチンにユイの声が響きわたる。フライパンの前であたふたしてるユイちゃんの近くに寄ると、中身が少し焦げ付いてしまっていた。
「おや、焦がしちゃったね。」
焦がすと言っても本当に端の部分だけだったのだが。
「本当にお前は無能だな、料理1つできないのか」
このルキの言い方にお姉ちゃんちょっとだけカチーンとしちゃったので反撃する事を今決めた。ルキの胸ぐらを笑顔で掴み、引き寄せるとルキだけにしか聴こえないように囁く。
「ルキ君や、フライパンを焦がし、お湯の沸かし方も知らず、黒糖砂糖を腐ってると言っていた子が随分立派なことを言うようになったものだねぇ。｣
「〜っ姉さん…。」
何を隠そうルキに料理をはじめ、その他の家事を教えたのはこの私なのだからな。ネタならいくらでもある。
◇
ルキの姿が見えず。そしてキッチンからは何やら焦げたにおいが香ってくる。できる限りの全速力でキッチンに向かった。案の定こげこげのフライパンと同じくこげこげで元の原型がわからない食材とルキがいた。
「あーらら。やっちゃったか。」
「姉さんの作り方を見様見真似でやっただけだ。」
それからの毎日私はルキと一緒にご飯を作るようになった。何度もフライパンをダメにされてもたまらないし。コウやユーマ、アズサもてつだってくれることもあったが摘み食いの王者なので主に食器並べ係に配属。だが今日、ルキ以外の3人は泥だらけで帰って来たため入浴中であったので、ルキと2人だけでキッチンに立っていた。屋敷で2人きりというのはなかなか無いことでよくこの時間に相談などに乗ることが多かった。一応長男ということで、プレッシャーなんかもあるのだろう。
「ルキ、聞いてもいい？。」
「なんだ改まって。」
「気分を悪くしたり、間違っていたらごめんよ。ルキは貴族の家の生まれなのかなって気になってさ。｣
ジャガイモの皮を器用に向いていた手がピタッと止まり、鋭い視線が向けられる。
「なぜそう思う。」
なんだかこの表情を向けられるのも久しぶりだな、と成長を喜ぶ。
「立ち居振る舞い。無意識にドアを開けてくれたりとか、あと食事。」
コウやアズサは最初のころナイフやフォークの使い方もわからないようなそんな感じで、ユーマはフォークだけ、スプーンだけとか本当に食事に必要なものだけは使える様であった。一方ルキは、きちんとマナーを守ってナイフフォークを使いこなしていた。
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さらら(プロフ) - チョコミカンさん» ありがとうございます、作品を褒めてもらうととても嬉しいです。お返事が遅くなって申し訳ありませんでした(_ _) (2019年4月14日 1時) (
レス) id: 38606b6bbe (このIDを非表示/違反報告)
さらら(プロフ) - りこ63さん» コメントありがとうございます。読みにくいと言うお声を頂いてなるべく善処しているつもりですが、なにぶん癖で書いているので申し訳ございません。お読み下さってとても嬉しいです (2019年4月14日 1時) (レス) id: 38606b6bbe (このIDを非表示/違反報告)
チョコミカン - 面白いです！更新頑張ってください！ (2018年12月23日 16時) (レス) id: ea092a75bc (このIDを非表示/違反報告)
りこ63(プロフ) - 面白いけど、改行使った方がいいかも (2018年12月6日 18時) (レス) id: b104c4683b (このIDを非表示/違反報告)
優希(プロフ) - さら！うまいよ！！面白いよ！！あ、Twitterで四葉美雪と名乗ってる優希です。(σ≧▽≦)σ (2017年12月19日 19時) (レス) id: 162361c584 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さらら | 作成日時：2016年4月22日 17時
