２９話〜スバルとの思い出〜 ページ30
「あ、やっぱりここにいた。」
「姉貴？。」
白薔薇が咲き誇る庭園に紛れ込むように佇んでいたスバルに声をかけた。レイジから今日は晩餐会だと聞いたので全員に伝え回っていたのだった。最近ろくに参加する兄弟が居ないと、レイジな嘆いていたので少しでも力添えにと。棺桶の中にいなかったので何となくだがここに居るのではないかとおもって足を運べば案の定居た。
「綺麗に咲いてる。」
この辺一帯に植えられているその白き薔薇は傍目から見てもよく手入れがされているのが解る。
「一応…姉貴に見せたくて最近から世話してた。」
女はこういうの好きなんだろと言うスバルの頬は少しだけ紅潮していた。
「おやおや、それは嬉しいね。ありがとう。」
笑顔で応えれば、その紅はより一層濃くなる。
「でも白薔薇は嫌いじゃなかったっけ？」
「変わらねえよ。昔も今も。」
◇
「やっぱりここにいた」
白薔薇の花に囲まれ、奥まで入らないと見つけられない場所にスバルは座り込んでいた。メイドや執事たちがいくら探したってここでは見つかりようもない。1人、ここでこっそりないていたのだろう。１時間前クリスタ様が癇癪を起こしてしまい、私やスバル、メイドたちが落ち着かせていた。その時クリスタ様がスバルに向かって暴言を吐き、八つ当たりともとれるような態度をとった。クリスタ様は普段はとても優しい方だが時折狂ってしまうように癇癪を起こす。癇癪が起きている時もそうだが余程調子がいいときでなければ、元凶である父との間に出来たスバルを酷く恐れ拒絶する。いつもなら私が向えば直ぐに落ち着くが、今日は大分興奮していて時間がかかってしまったのだ。
白は何色にも染まることが出来る反面、いとも容易く汚れてしまい、それを落とすことは難しい。
顔を埋め、足を抱えたまま動こうとはしない。これは当分は動かんな…。仕方ない、余計なおせっかいだとは思うけど、放っておけない質だからな。
スバルの隣に腰を下ろし空を見上げた。ああ、今日は満月だったのか。通りでね。
暫くするとスバルは俯いたまま口を開いた。
「姉貴…俺って産まれて来て良かったのかな…。」
「…どうしてそう思う？。」
「……俺のせいでオフクロはあんなふうになったし…俺が産まれて無ければもしかしたら親父と上手くいって幸せだったかもしれない…。」
３０話〜スバルとの思い出2〜→←２８話〜レイジとの思い出2〜
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さらら(プロフ) - チョコミカンさん» ありがとうございます、作品を褒めてもらうととても嬉しいです。お返事が遅くなって申し訳ありませんでした(_ _) (2019年4月14日 1時) (
レス) id: 38606b6bbe (このIDを非表示/違反報告)
さらら(プロフ) - りこ63さん» コメントありがとうございます。読みにくいと言うお声を頂いてなるべく善処しているつもりですが、なにぶん癖で書いているので申し訳ございません。お読み下さってとても嬉しいです (2019年4月14日 1時) (レス) id: 38606b6bbe (このIDを非表示/違反報告)
チョコミカン - 面白いです！更新頑張ってください！ (2018年12月23日 16時) (レス) id: ea092a75bc (このIDを非表示/違反報告)
りこ63(プロフ) - 面白いけど、改行使った方がいいかも (2018年12月6日 18時) (レス) id: b104c4683b (このIDを非表示/違反報告)
優希(プロフ) - さら！うまいよ！！面白いよ！！あ、Twitterで四葉美雪と名乗ってる優希です。(σ≧▽≦)σ (2017年12月19日 19時) (レス) id: 162361c584 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さらら | 作成日時：2016年4月22日 17時
