１９話〜アヤトとの思い出〜 ページ20
「ここが…この公式…。」
「そ、これ覚えればだいたい解けるからはりきっておぼえてこー。」
アヤトが宿題を教えてほしいと部屋を訪ねてきたのでビシバシスパルタで教え込んでいる。どうやらテストの点数が危ういらしく、このままでは留年もおかしくないとのこと。シュウの二の舞を回避すべく、頭をフル回転している。
休憩を挟み、昔もこの様に勉強を教えていた事が話題に上がる。当主になるべく、二言目には勉強勉強と口煩く言っていたコーデリアにいつもアヤトは悩まされていた。あのころ、強く言われてしまえば言う通りにするしか道はなかった。それでもアヤトだって時にはそれを意地でも拒絶する時があった。
そんな時は無理矢理部屋に閉じこめられるか、躾と称した虐待を受ける事になる。
一時期アヤトがなにもかもを投げ出し、何一つ手をつけない時期があった。そこでコーデリアはアヤト
と仲の良かった姉を仕向けたのだ。大切な姉がわざわざ教えてくれるのにお前はソレを拒絶するのか、と。アヤトの身分から考えれば避けることの出来ない運命だったとしても、自分は無理にすることはないと考えていた。普通の子供ならば、無茶をしてでも世界を知ろうと精一杯生きている年齢である。
アヤトは元々特別勉強の才があると言う訳ではなかたっが、コーデリア様の無理な英才教育で年よりはるかに上回った学力を持っていた。
「いつもコーデリア様に勉強勉強って言われてたよね。」
「まーな。よく姉貴がかばってくれたよな。」
「あの頃アヤトがやっていた問題、アヤトの歳にやるような問題じゃないよ。もっと難しい問題。」
量をこなせば結果が出ると考えていたのだろうが、問題の意味を理解していないまま進んでしまっては、解けるものもあれでは無理だ。
「それ姉貴が言える事か？。教えられることがないって何人も教師変わってただろ。」
「すんませした。」
◇
「あぁっ、コウモリが逃げちゃった…。」
カナトの元から、1匹のコウモリが自由になった身で、パタパタと空を仰いでいく。
「あーカナト君泣かないの。あんなのすぐ捕まるって。」
3つ子と言えど性格は3人それぞれだ。この頃はライトがとても面倒見がよく、よく他の2人の事を何かと世話していたものだ。
次々に零れでる顔を自分のハンカチで拭いて頭を撫でてやれば、姉様…と言いながら抱きついてくる。
「メソメソすんなって。このアヤト様が捕まえてきてやる！｣
アヤトが走りだそうとした時、高く妖しげな声がその動きを止めた。
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さらら(プロフ) - チョコミカンさん» ありがとうございます、作品を褒めてもらうととても嬉しいです。お返事が遅くなって申し訳ありませんでした(_ _) (2019年4月14日 1時) (
レス) id: 38606b6bbe (このIDを非表示/違反報告)
さらら(プロフ) - りこ63さん» コメントありがとうございます。読みにくいと言うお声を頂いてなるべく善処しているつもりですが、なにぶん癖で書いているので申し訳ございません。お読み下さってとても嬉しいです (2019年4月14日 1時) (レス) id: 38606b6bbe (このIDを非表示/違反報告)
チョコミカン - 面白いです！更新頑張ってください！ (2018年12月23日 16時) (レス) id: ea092a75bc (このIDを非表示/違反報告)
りこ63(プロフ) - 面白いけど、改行使った方がいいかも (2018年12月6日 18時) (レス) id: b104c4683b (このIDを非表示/違反報告)
優希(プロフ) - さら！うまいよ！！面白いよ！！あ、Twitterで四葉美雪と名乗ってる優希です。(σ≧▽≦)σ (2017年12月19日 19時) (レス) id: 162361c584 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さらら | 作成日時：2016年4月22日 17時
