１２話 ページ13
皆、昔と何ら変わらない態度で接してくれることにとても救われた。昔だったら玄関で質問攻めにされてただろうなぁ。少しは大人になっているのだと少し面白かった。
「Aさんこの部屋です。」
ドアをあけると、それなりに広い空間が広がる。あまり広すぎる部屋で過ごすのが苦手なのを知ってなのか、恐らく普通の部屋よりは小ぶりだ。充分広いけど。ベットとデスク、ソファにテーブル、本棚やサイドテーブル等が備え付けられていて、大きな窓からは綺麗な空が良く見える。
「あ、ユイさんもどうぞ入ってください。話したいこともありますし。」
「はい、わかりました」
シュウとスバルは荷物を置くとリビングに足を運んだ。シュウはごねたが、スバルに強制連行されて行った。
荷物を解き、簡単に整理する。
「荷物ありがとうございます、重かったでしょう。」
「スバル君も手伝ってくれましたし、大丈夫です。」
そう言うと彼女は部屋の空気を変えるため窓を開け、荷解きを手伝ってくれる。
「そういえばユイさんってどうして逆巻の家に？…誰かの彼女とか…？。」
弟達が人間の子を彼女にするって中々想像出来ないが、可能性はなくななくも…ないのではないだろうか？。スバルなら何となくわかる気もするが。
「あっ!そうだったすみません説明が遅れて。」
「いえいえ、構いませんよ。気になっただけですから」
「私も詳しくは知らないんですけれど、私の父が仕事で一緒に住めなくなったので、この家にお世話になるようにって…でもそうしたら何だか。」
それから暫くユイさんの話をきいていくと1つの考えにたどり着く。
「生贄の花嫁…。」
「確か、そんな事言っていたと思います。」
はぁ、と思わずため息が出てしまう。噂には聞いていたけど、まさか本当にこんなに悪趣味な事を行っているだなんて。ヴァンパイアの中に人間を送り込むだなんて、正気の沙汰ではない。
「辛くはなかったですか…。」
心配そうにしていたユイの動きがピクっと止まった。
定期的に送られた手紙には、変わっていった彼らの事も多く綴られていた。
「悲しいけど、あの子達は人間に優しくするような性格では無いはずです。そんな中1人で…。」
さっきから気になってた彼女の首元には無数の噛み跡。しかもそれは同一人物のものでは無い。
静かに静かに、彼女は涙を零した。我慢していたものが、溢れかえるように。
そっと、震える背中をAは壊れ物を扱うかのごとく優しく撫でた。
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さらら(プロフ) - チョコミカンさん» ありがとうございます、作品を褒めてもらうととても嬉しいです。お返事が遅くなって申し訳ありませんでした(_ _) (2019年4月14日 1時) (
レス) id: 38606b6bbe (このIDを非表示/違反報告)
さらら(プロフ) - りこ63さん» コメントありがとうございます。読みにくいと言うお声を頂いてなるべく善処しているつもりですが、なにぶん癖で書いているので申し訳ございません。お読み下さってとても嬉しいです (2019年4月14日 1時) (レス) id: 38606b6bbe (このIDを非表示/違反報告)
チョコミカン - 面白いです！更新頑張ってください！ (2018年12月23日 16時) (レス) id: ea092a75bc (このIDを非表示/違反報告)
りこ63(プロフ) - 面白いけど、改行使った方がいいかも (2018年12月6日 18時) (レス) id: b104c4683b (このIDを非表示/違反報告)
優希(プロフ) - さら！うまいよ！！面白いよ！！あ、Twitterで四葉美雪と名乗ってる優希です。(σ≧▽≦)σ (2017年12月19日 19時) (レス) id: 162361c584 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さらら | 作成日時：2016年4月22日 17時
