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「だけど」
ママも同じようにカントリーマアムを手にした。
「………あんまり無理したらダメよ。って…言わせてね。お母さんってのは、どれだけ優秀な子どもを持ったって心配するものなのよ」
『うん』
「辛くなったら…ううん、楽しい時も、悲しい時も、腹が立つ時も、話を聞かせて欲しい。あなたは忙しいから、そんなに頻繁に連絡出来ないのは分かっているけどね」
『……あいがと、まま』
久しぶりに日本のお菓子を口にした。
変な感じだ。
あの時と変わらなくおいしいのに、なんだかほんの少しだけ切ない。
「いつ帰ってきても、今日みたいに超歓迎!するからね」
『へへ、そりゃありがたいっすわ』
束の間の母娘の時間を、私は楽しく過ごした。
.
『そろそろ行こうかな!』
「うん、わかった」
玄関まで見送りに来てくれたママは、腕を広げた。
『どしたんママ』
「そう言えばギュッてしてなかったわ」
『えっ…なに急に……やだよ(笑)』
「なによ〜、ジョシュア君達とはあんなに沢山してるじゃないの!」
それは文化の違いと言いますかね。
『しゃーないのぉ…』
照れくさいが、家族とのこういうスキンシップは…大切かもね。
「じゃあ、またライブの日にね」
『ん、会いに来てね!!』
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作者名:歓楽街 | 作成日時:2023年2月18日 13時