▼水色のファンレター ページ45
【ジョンハン】
「お前な、毎回あんな事してたらキリがねえぞ？」
『いいじゃん〜！スンチョリだって嬉しいだろ！？自分のこと好きな子が、自分のためにこんなかわいい封筒用意して、手紙書いてくれるなんて！！』
水色の封筒を大切そうに手にしたAと、呆れ顔のスンチョルがやって来た。
『ジョンハナ！！見てコレ！見てっこれ！見って〜〜！！』
「近い」
もう顔についてっからやめろ。見えん。
「なんなのそれ」
『じっつはぁ〜、私のファンの人がさっきそこで渡してくれたの！！』
「聞けよジョンハナ、こいつその人とそのまま20分くらい立ち話続けやがったんだ」
「マジでか」
何回か言葉を交わすんじゃなくて？
20分も、普通に道端で立ち話？？えっ、すげぇなA。
『先に行けって言ったのに待ってたのはスンチョルだろ〜』
「一人にして、なんかあったらマズいだろうが」
『なんにもないって。それにいざとなったら、太刀取りなりなんなり出来るから』
「お前は武闘家かなんかなの？」
『ある程度の護身術は家族に教えてもらったよ』
太刀振り回してくる奴なんて普通はいませんけどね。
「……で、その人は帰ったのか？」
『うん。アツい抱擁を交わして見送ったよん』
「ずいぶんなサービスだね」
『へへん』
「見えなくなるまで見送ってな」
『何回も振り返って手ぇ振ってくれんの！かわいいよね〜』
そして、「じゃあ手紙読むから邪魔すんなよ！」とAはどこかへ行った。
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作者名：歓楽街
| 作成日時：2023年1月30日 21時
