▽ ページ33
【煌】
「バカなところがいいところなの」
《…褒めてんのね？》
「うん、もちろん。……で、頑張る理由なくなったから…どうするの？」
《私だったら、自分が頑張ってるのに近くに必死になっていない人がいたら腹立つから……もういっそやめちゃおっかな〜みたいな…ね〜》
「やめるって…帰ってきたいってこと？」
《………………私は…ずっと……か＿＿＿Aや！おねがい、ご飯作って！！》
もう少しでAの本音が聞ける、そのすんでに何やら女の子の声が奥から聞こえた。
《はいはい(笑)………じゃあ煌くん、またね！》
「後で電話しようか？」
《ううん、いいの！声が聞けてよかった。体に気をつけてね………って、みんなにも言ってね》
「……ん、Aもちゃんと食べるんだよ」
《うん》
そしてブツン、と途切れた通話。
何言おうとしたんだろう。
…………………やめたい、いや……か、って言ったから………帰りたい？
だけど帰りたいって言うほどメンタルに来ているのなら、もっと声も小さいはずだ。
…少なくとも、今までのAはそうだった。
体調が悪いようにも思えなかったし……。
もしかしたら…自分でもわからない、心の本当の本当の奥の方で、寂しいと思っているのかもしれない。
…俺にしてあげられること、何かあるかなぁ……。
「…………あ。」
「こーおー？なあ靴借りていい？」
「ねえ燎、今度の休み韓国行こう」
「……………………？」
「えっ何言ってんのお前？」
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作者名：歓楽街
| 作成日時：2023年1月30日 21時
