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【ディノ】
Aヌナは、不思議な人だ。
と、オブラートに包むと片付かない行動があるくらいに不思議。…ハッキリ言えば、変なところもある。
これは、ヌナが運転を担当するようになって、半年もしない時の話。
ヌナはあんまり笑わない人で、僕らを乗せて仕事場と宿舎を往復する勤めさえ遂行すれば、あとはなんの干渉もして来ない人だったんだけど……。
JS「おはよう、A」
ヌナの不思議な雰囲気がお気に入りなシュアヒョンが、その日もいつも通り助手席に座った。
いつもは平坦なトーンで『おはようございます』と返すヌナだけど、その日はなぜかシュアヒョンを無視。
ヒョンとほとんど同じタイミングで車に乗り込んだ僕も、どうしたのかなとヌナを覗き込んでみた。
窓の外…下の方をじーーーっと見ている。
JS「A？」
DN「ヌナ…何見てるんです？」
と聞いたら、そこで我に返ったように挨拶をしてきた。
JS「何を見てたの？」
『そこに猫がいて……話してました』
JS「ああ、猫ね。………………話してました？？」
『なんか、元気そうです』
JS「A……猫と話せるの？」
『なんとなくですけど』
ちょっと待ってシュアヒョン。
普通に話を進めないで。
人は猫と話すことは出来ない。
JS「何か言ってた？」
『今日の天気が悪いのが嫌みたいっす』
だから、普通に話を進めないでって。
JS「そっか。確かに、今日は空の色が暗いよね」
『雨が降らないといいですね』
第一印象は、冷たそうな人。
更新された印象は、ちょっとよく分かんない人。
今の印象は……
DN「おはようヌナ！！」
『おはようございます、ディノさん』
DN「なに見てたの？」
『おじさん(ゲーム)にご飯あげてました』
だいぶよく分かんない人。笑
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作者名：歓楽街
| 作成日時：2024年3月12日 23時
