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午後。
「おお、A……どうしたんだ、その姿」
『マネさん、私はもうこの仕事をやめようと思います』
「考え直してくれ」
『止めてくれるな』
「止めます止めます」
ホシさんから「誕生日が終わるまで外さないでね！！」と言われ、私はハッピーバースデーのタスキを肩からかけて運転をした。
あと、ホシさんから貰ったサングラスもつけて、ジョンハンさんから貰った腕時計やら、クプスさんから貰ったネックレスやら、バーノンさんから貰った帽子やら、ディノさんから貰ったブレスレットやら……そして無数の指輪を全て指に嵌められて。
『こんな勘違い富豪みたいな格好するくらいなら、私は今すぐに実家に帰ります』
「いいじゃん、婚約者いっぱいいて」
『やめてください。二度と言わないでください』
「あの中の誰かと一緒になれば、将来は安泰だぞ」
『それって金銭面だけですよね』
「うん」
『やめましょうこの生々しい話』
「毎月末に金欠だってため息しか出ないお前には、丁度いいと思ったんだが」
…マネさん、なぜ私が金欠だか知ってますか？
『そういうのなら、お給料あげてください』
「今月のボーナスはあいつらからのプレゼントだ」
『そんなことより生活費が欲しい』
「現実的」
『マネさんからのプレゼントは、今月の水道代とかにしてもいいですか』
「夢がないプレゼントだなおい……」
『それとも……このプレゼントを売った方が、お金になりますかね』
「やめろ、あいつらの名誉にかけて」
『多分この指輪とか、いい値段すると思うんですけど』
「いい値段するモンあげられるくらい大事だと思ってくれてんだ、受け取っておけ」
『いえ、売らないとしても預かるだけなんで』
「あ、そう……」
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作者名：歓楽街
| 作成日時：2024年3月12日 23時
