SEVENTEENの太陽【11th】 (ページ20)

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【ヘラ】

とにかく情緒がおかしくなったチェヨンは、落ち着かせるために一人にしておいて、私はAさんと二人で話し合い。

『……で、どうしたらいいのかな』

「私からは、なにも…」

『みっ、見捨てないでよヘラさん…！あなたもキャリア長いんだから、こういう時の対処法分かりますよね！？』

「確かに、いちファンがスタッフとして就職するケースもありますけど……」

そういう人達は、大体アーティストにストレスだけ与えて解雇されるものだ。

けど、チェヨンはイレギュラー中のイレギュラー。

Aさんのファンだなんてことはひと言も聞いたことがなかったし、Aさんのメイクをしたいとも言わず、そう言った素振りも見せたことはなかった。

要は、隠すのが上手かったわけだ。

しかも泣くことだってなかったし、弱音も吐かないし、そもそもあんなに大声を出すのも初めてだった。

私だって何が何だかよくわからなかったのだ。

経験のないことに、なにか言えたもんじゃない。

「………繰り返しますが、あれは専門外です」

『私だって専門外ですよ！！』

「…どうします？」

『どうしましょう………』

.

『ちょ、ちょっと私、チェヨンさんにいくつか質問してきます…』

「ご一緒しますか」

『いや大丈夫で……………す、よね？』

「…………恐らく、」

『やっぱ来てもらっていいですか』

「承知しました」