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【ジョシュア】
泣きたい気持ちを飲み込もうとしているAは、あんまりに苦しそうで。
そりゃあAの事だから、あのまま練習室に戻ればいつもみたいに明るく振る舞うんだろうけど……さっきまで何をしていたか知ってる俺からしたら、そんな光景は見るに堪えないものだ。
『…ジス?』
Aの手を引いて、人通りの少ない会社の隅にやって来た。
ここは本当にあまり人が来なくて……ジョンハニと「いつ練習生をやめようか」なんて相談も、何度もここでして来た。
「A」
『…ん?』
「……泣いていいよ、ここでなら」
『………何言ってんだよ、急に(笑)』
お願いだから、そうやって無理やり笑わないで。
『!』
真正面から、Aの事を抱きしめる。
ぎゅうっと、つよく。
『…………』
そうしてみたら、Aは案外素直に俺の背中の生地をグッと掴んで。少しして、嗚咽が聞こえた。
『………………なんで、みんないなくなるの』
.
『……ジナたちは、絶対大丈夫と思ってた』
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『私たちはずっと一緒にいれるって、勝手に私は信じていたんだ……』
.
『…………聞いてただろ、ジス。……私は、夢ばっかりを見ていたみたい…』
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作者名:歓楽街 | 作成日時:2023年3月12日 12時