▼悲しき別れは突然に ページ40
【ジョシュア】
約3年前_冬
『どうして、それでジナたちが諦めなくちゃいけないんだよ!!!!』
「……?」
本当に、それは偶然だった。
あまりの怒号で、最初はAの声だなんてことも気が付かなかったし……あのAがここまで怒ることなんてありえないと思っていて、その場にたまたまいた事は、運が悪く感じたのを覚えている。
『なんで辞めるの!!?嫌だ、だって…!!私が頑張って来れたのは、ジナたちがPLEDISにいたからだ!!!』
「……ごめんなさい、A…だけど、これはもう決めたことなのよ」
ジナさんの声が聞こえて。
誰も見ているわけないけど、壁際に体を寄せた。
本当は、盗み聞きなんて良くないけどさ。
………あいつがここまで怒る理由は、やっぱり気になるでしょう。
『嫌だ、私はそんなの認めない!!誰かに言われたんでしょ、そうでしょ!?約束したじゃん………みんなアイドルになるって言ってたじゃん!!!あれは嘘!??』
「A……落ち着け。そう熱くなったら、話したいことも話せ___」
『セロニはそれでいいの!!?ねえ、イェウナ!!ユナ!!』
「……でも、私たち…もう、22歳だよ。A…」
『年齢なんて、そんな……』
「関係ないって?それは、アイドルなんてひと握りの職業を選ばない人だけだよ」
その言葉はあまりに現実的で、なんだか俺まで苦しくなった。
「こんなこと言いたくないけど………ごめんねA、Aには分からないよ。……後輩がデビューする、私たちの気持ちは」
『……!!!』
「どれほど辛いか……分かる?さすがに、堪えたよ。………だって………チャン君なんて5歳も下だって言うのに」
『でも、そんなのユナが諦める理由にならないよ!みんな私よりもダンスが上手だし、歌も上手だし、アイドルになれ__』
「アンタには分からないって言ってんの!!!!」
「ユナ!!!」
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作者名:歓楽街 | 作成日時:2023年3月12日 12時