▽ ページ39
【ジョシュア】
「あれ、ハニ…どうしたの。Aと出かけたんじゃ？」
「…感動の再会の末に、置いていかれた」
ふくれっ面で、ソファーにどっかり座るジョンハン。
「どういうこと？」
「さあね。ただ、ずっと会いたかった人だって言ってた」
ずっと会いたかった人？誰それ。俺の知らない人かな。
「男？女？」
「どうしたジョシュア、そんなに気になること？」
「お前が気になる言い方をするからだよ」
「安心して。女だよ」
「…ふぅん」
安心ってなにさ。
別に、男だっていいと思うよ？
だって、Aには今は好きな人なんていないでしょう。
「韓国の人みたいだから、お前は知ってるんじゃない？」
「なら、その人の名前は？」
「ジナって言っていたけど」
「！！」
ああ、なんだ。ジナさんか。
「……そっか」
「知ってる？」
「知ってるも何も……Aの知り合いのジナって言ったらキム ジナだよ。お前も知ってるだろ？」
「キム ジナ……ああ！！えっ、そっか。ずいぶん変わってたけど…………あいつ、よく気づいたな…」
キム ジナ。
かつてAと練習を共にした、PLEDISの元練習生だ。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
『ジナがいなかったら、今の私はいないんだ』
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
Aの入所初日に、Aに話しかけたのがジナさんだと言う。
まだ韓国語がちっとも分からないAに、彼女は知ってる限りの英語で応えてくれたのだ。
ジナさんは、NU'EST先輩の次にデビューする予定だったガールズグループで、AFTERSCHOOL先輩の妹分になるはずだった。
だけど、何年経てども願っていたその日は来なくて………
彼女を含む、Aの親友だった4人はPLEDISを去った。
それは、確か3年くらい前の…俺たちが14人でデビューするのが決まって、すぐの事だった。
あの日の事は、今も鮮明に覚えている。
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作者名：歓楽街
| 作成日時：2023年3月12日 12時
