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【ジョンハン】
『次は何食べようか!』
「食ってばっかりじゃ太……」
『お散歩しようか!!!』
「夏に外で散歩するのやだよ。どっか建物に入ろうよ」
『わがままやな、ちょんちょん』
「お前にチョンチョンて呼ばれるのちょっとヤダわ」
『差別!!』
「区別ね??」
『はぁ……』
さも「傷つきました」と言いたげにがっくりと肩を落とすA。
被害者ヅラがお上手なことで(笑)
『良さげなお店でもあったら、そこに入っ………___!!!』
「…えっ?A!?」
突然、隣を歩いていたはずのAが走り出した。
「ちょ、おい!!」
たまたま車の通らないタイミングだったからいいが、脇目も振らずに車道を横断するなんて馬鹿のする事だ。
.
.
「………………は?」
追いかけたはいいが、目の前の光景はいささか変な感じがした。
息を切らして女性を抱きしめるAと、きょとんとしてAにされるがままの女性。
「……へ、Hey…?Who are you…??」
綺麗に切りそろえられた毛先を揺らして、彼女は尋ねる。
『………………ジナ』
「…………え?」
『あなた、ジナだよね』
えっと…コレ噛み合ってるか??噛み合ってなくね??
「A、相手が困って___」
「えっ、A?………Aって言った!?」
ジナと呼ばれた女性は、Aの顔を手で挟んだ。
そして、Aの顔をまじまじと見つめる。
「……あっ…え、本当にA…………?」
『うん、そう、A。………ねえ、ジナ…だよね?』
「………うん……ジナ…」
Aが、「ああ、ジナ…!!」ともう一度彼女を抱きしめたら、今度はジナさんの方もAを強く抱き締めた。
「………」
なにやら、感動の再会のようだ。
だが、しかし。
Aや。おれ、どうしたらいい。すごく蚊帳の外だ。
クラッカーとか鳴らした方が良かったかなコレ。
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作者名:歓楽街 | 作成日時:2023年3月12日 12時