#68 終わらせたい ページ34
ノエルたちがこの製鉄所を去った。
第三の契約がどうのこうのと言っていたが、詳しいことはわからない。
彼女たちはきっと、これからも復讐を遂げるために走り続けるのだろう。
去り際に解かれた鎖。それはノエルからの慈悲であった。
身体の自由を確保した私は、倒れた鉄骨＿もといフーゴに歩み寄り、彼の近くに座った。
『フーゴ。生きてる？』
「………なん、とか……」
フーゴのガスマスクの端から、鮮やかな鮮血が滴り落ちる。
……血まで吐いているのか。
私はさらに彼に近寄って、フードを剥ぐ。
そうすれば、少しだけ煤で汚れた、綺麗な金色の髪が姿を見せた。
フーゴに寄り添う様にして、私はとあることを語る。
そう＿＿最近考えていた、私の本心を。
『私さ、なんか疲れちゃったんだ。何が目標で、何が手段で、……私は一体どこに向かうために、どこを走っているのか。わかんなくなってきちゃって』
「……そうかよ。俺も、そうかもしれねぇな……。多分、俺とお前では目的地が違った。だから、お前が隣にいようと俺の進路は定んなかった訳だ」
変わらない日常を手に入れること。
代償に抗っていくこと。
市長や悪魔に復讐をすること。
フーゴの半身として強くなること。
彼にもらった“神風の魔女”の名を守り続けること。
生き続けてやること。
……彼と、愛し合うこと？
『もうわかんない。 頭の中がぐちゃぐちゃなの。ねえ、このままここにいたら、私もフーゴと一緒に捕まるかな？ それとも、警察が駆けつける前にあんたが死んじゃう？ そしたら私もここで死んであげる。だからさ、もう終わりにしよう？』
思考が定まらない。自分が何を考えて何を言っているのか、わからない。
とにかく、もう終わらせたい＿＿それだけだった。
だって、そうでしょう？
どれが真の願いかすら分かっていない、曖昧な私が従姉さんやジリアンやフーゴを巻き込んで傷付けてしまっているなんて。
ノエルとカロンみたいに明確な目的もない私が、無理やり目的をこじつけて、手段としてたくさんの人を殺してきたなんて。
考えるだけで、反吐が出る。
その上、フーゴまでいなくなってしまったら、私は一体何のために＿＿。
サイレンの音が聞こえる。複数人の足音が聞こえる。どうやら警察隊が駆けつけて来た様だ。
恐らく彼らならこの鉄骨を退けて、フーゴを逮捕してしまえるのだろう。
その時に、私も一緒に連れて行ってくれるのだろうか。
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あゆ - 授業中なのに、あそこまで描けるっていう...ヤバ...(語彙カ) (2019年1月7日 8時) (
レス) id: 072ca93e4c (このIDを非表示/違反報告)
cc(プロフ) - 夜桜美月さん» コメントありがとうございます！やっぱり描いちゃいますよねぇ…笑 でも今は一番前の席になっちゃって、先生の目の前なので描けなくなりました(´ｰ｀) 無念です。 (2018年3月2日 19時) (レス) id: 3524d9e2e8 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜美月(プロフ) - いつも楽しく見てます！落書きのレベル高！その画力を恵んでくだせぇ。授業中絵描いちゃいますよね。机とか、そして見つかる＼(^o^)／ (2018年3月2日 19時) (レス) id: 20b5aa4547 (このIDを非表示/違反報告)
メイ - ccさん» いえいえ！質問に答えてくださってありがとうございました！これからも頑張って下さい！ (2018年2月24日 12時) (レス) id: b6d44dcbc7 (このIDを非表示/違反報告)
cc(プロフ) - メイさん» 応援と質問ありがとうございました！これからも頑張ります(*^o^*) (2018年2月24日 7時) (レス) id: 3524d9e2e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：cc | 作成日時：2018年1月14日 18時
