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#65 応えない ページ31

心音が止まったかと錯覚する。
ジリアンの声が聞こえた。幻聴なんかではなく、確かにそれは彼女の声。
彼女の顔を見れば、薄く開かれた瞼から、アメジスト色の瞳が覗いているのが見えた。
そして、微かではあるが、彼女の唇も上下に動く。

「……A、なの?」

瞼の向こうの紫色は、私の姿を捉えていない。
もしかして、視覚がはっきりしていないのだろうか。あんな爆撃を間近で受けたのだ、無理もない。
それでも、ジリアンは私の存在に気がついているようだった。私の方へと、力なく手を伸ばしてくる。

「心配してたんだよ、A……急にいなくなっちゃうし…なんで、コンクールにも来てくれなかったの?A……」

やっぱりよく見えていないのか。
ジリアンが伸ばした手は、私が払うこともなく虚空を掴んで落ちていった。

「戻って来てよ。ノエルもいなくなっちゃうし……ボク、どうしたらいいの……? ねえ、A。……また一緒に、アイスでも食べに行こうよ」

ジリアンの手を握ろうとして、そして…やめた。
今ここでジリアンに寄り添うことは簡単だ。
でも、それじゃきっと。

『……ごめんね、ジリアン。それは、できないや』

私は一生、何も持ってないままだ。

我儘に付き合わせてしまってごめん。
でも、私が強くなる一歩目の試練として。

……あなたの手を振り払わさせて。


「……A」

ジリアンが私の名前を呼んでいる。でも、もう返事はしない。
強い誰かに憧れるだけでいるのは、もう卒業しなきゃ。

ズルズルとその場にしゃがみ込んだ私は、再度フーゴの視界を覗いた。
未だに彼はカロンと対戦を続けている。必要ないかもしれないが、援護しないと。

(ジリアン。貴女が目を覚ましてしまったのは、私が貴女を愛していたから?)

幾ら心の中で尋ねたって_返事は、来ない。

***



私事ですが、今週の水〜金にテストを控えております。
今までは書き溜めていたものを定期的に投稿させていただいていましたが、そろそろそれも尽きそうです(遠い目)
おそらく今週末まではお休みします。土曜日からは絶対に更新再開しますし、現在番外編も執筆しておりますので、ぜひこれからもこの作品を宜しくお願いします。

cc

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あゆ - 授業中なのに、あそこまで描けるっていう...ヤバ...(語彙カ) (2019年1月7日 8時) (レス) id: 072ca93e4c (このIDを非表示/違反報告)
cc(プロフ) - 夜桜美月さん» コメントありがとうございます!やっぱり描いちゃいますよねぇ…笑 でも今は一番前の席になっちゃって、先生の目の前なので描けなくなりました(´ー`) 無念です。 (2018年3月2日 19時) (レス) id: 3524d9e2e8 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜美月(プロフ) - いつも楽しく見てます!落書きのレベル高!その画力を恵んでくだせぇ。授業中絵描いちゃいますよね。机とか、そして見つかる\(^o^)/ (2018年3月2日 19時) (レス) id: 20b5aa4547 (このIDを非表示/違反報告)
メイ - ccさん» いえいえ!質問に答えてくださってありがとうございました!これからも頑張って下さい! (2018年2月24日 12時) (レス) id: b6d44dcbc7 (このIDを非表示/違反報告)
cc(プロフ) - メイさん» 応援と質問ありがとうございました!これからも頑張ります(*^o^*) (2018年2月24日 7時) (レス) id: 3524d9e2e8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:cc | 作成日時:2018年1月14日 18時

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