#52 相談したい ページ15
「A嬢。なにやら浮かない顔をしているね。ボマーが何か失礼なことでもしたのかい」
自慢の拳銃を整備していたパイソンが、私の顔を覗き込んで話しかけてきた。
製鉄所の一角で、私はボロボロのソファに腰掛けた。
彼らは今日からしばらく、仕事でここを離れるらしい。何か相談をするなら今のうちだろう。
『フーゴの女心わかってない言動に関してはもう慣れてるから大丈夫よ。そういうのじゃなくて、実は今回の依頼について悩んでるんだけど……』
昨夜、2人の侵入者を取り逃がした後、私たちは再度市長の私室に呼び出されることになった。今度は、フーゴも一緒に。
話されたのは、いつも通りの汚れ仕事の件。例の侵入者たちの殺害依頼だった。
あの少女は市長に
まあ、大悪魔と魔人のペアと戦える機会なんてそうそうないだろうし。
でも私には、やっぱり市長はフーゴを使い捨てようとしているようにしか思えないのだ。
『だって、その魔人の少女を誘き出す為に、これから白昼堂々市街地を焼きに行くのよ? そんなことさせたら市長としての面目も潰れるでしょうに….…』
パイソンに昨夜の出来事を掻い摘んで説明し、意見を求めてみる。
彼なら的確なアドバイスををしてくれるだろうし、もしかしたらフーゴを止めてくれるかもしれない__そんな期待を込めて。
パイソンが、拳銃を整備していた手を止める。何やら面白いことに気がついたかのような半笑いで、彼は予想とは違った返答をした。
「それは、ボマーに話すべきことだろう。……ボマーに直接話したまえ。私が何を言おうと、A嬢は結局ボマーの判断を信じるのではないかね」
その言葉を聞き、私は改めて不安になる。
確かにその通りかもしれないが、それをパイソンに指摘されるということは……。
『私、そんなにフーゴにべったりしてる?』
「ある意味ではこの中で一番狂信しているだろう。むしろボマー以外信じないと言われても納得できてしまうよ」
『……まじか』
それってつまり。
……代償、全然制御出来てないんじゃね……?
『フーゴには冷たく接してるつもりだったのに』
「そのようには見えなかったがね」
「いやお前、俺に冷たく接しようとしてたのかよ」
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あゆ - 授業中なのに、あそこまで描けるっていう...ヤバ...(語彙カ) (2019年1月7日 8時) (レス) id: 072ca93e4c (このIDを非表示/違反報告)
cc(プロフ) - 夜桜美月さん» コメントありがとうございます!やっぱり描いちゃいますよねぇ…笑 でも今は一番前の席になっちゃって、先生の目の前なので描けなくなりました(´ー`) 無念です。 (2018年3月2日 19時) (レス) id: 3524d9e2e8 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜美月(プロフ) - いつも楽しく見てます!落書きのレベル高!その画力を恵んでくだせぇ。授業中絵描いちゃいますよね。机とか、そして見つかる\(^o^)/ (2018年3月2日 19時) (レス) id: 20b5aa4547 (このIDを非表示/違反報告)
メイ - ccさん» いえいえ!質問に答えてくださってありがとうございました!これからも頑張って下さい! (2018年2月24日 12時) (レス) id: b6d44dcbc7 (このIDを非表示/違反報告)
cc(プロフ) - メイさん» 応援と質問ありがとうございました!これからも頑張ります(*^o^*) (2018年2月24日 7時) (レス) id: 3524d9e2e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:cc | 作成日時:2018年1月14日 18時