#50 手伝いたい ページ13
続いて響く、夥しい量の銃声。
聞こえてくる不穏な音に、私たちは扉をあけて廊下に飛び出すしかなかった。
尋常じゃない量の警備隊が走っている。一瞬私たちを狙っているのかと思いびっくりしたが、彼らは別の誰かを追っているようだった。
「ボマー! 侵入者だ、殺せ! そっちの女も動いてくれ!」
警備隊の男がそう叫んだ瞬間、フーゴの目の色があからさまに変わったのがわかった。
……嫌な予感がするなあ。
どうしようか、とフーゴに指示を仰ごうとしたその時。
『……え”っ!?あ、ちょっとフーゴっ!?』
私を押し退けフーゴは部屋へと戻る。持ってきていた爆薬を数個手に取り、戦う準備は万端。完全に戦闘モードに突入した。
……そう、こいつは戦闘狂。今までの比較的平和な生活の中で、何故かすっかり忘れていた。
フーゴがその気なら、私がやらない理由はない。
私も一旦部屋に戻り、コート掛けにかけていたネイビーのそれを羽織る。
今回は爆弾は使わないかな_そう判断して、非常用で持ってきていたリュックサックはその場に置いたままにした。
ガスマスクをつけて、いざ出陣。
***
しばらくその場で待機していると、響き渡る銃声と共に、異質な2つの影がこちらに向かって駆けてくるのを見つけた。
高身長で鳥類のような頭部を持った、あれは……おそらく、大悪魔。そしてその隣には、私よりも幼く見える、黒いドレスに身を包んだ少女の姿があった。
(あれが、侵入者…? 大悪魔の方はまだわかるけど、一体あの少女は……)
私が思考を巡らしていると、隣にいたフーゴが、まるで待ちきれないといったように、爆弾を持って部屋から飛び出した。
そして、走ってゆく2つの影に向けて、彼は大きめのそれを投げつける。
「きゃあっ……!」
爆発。
もう聞き慣れてはいるが、相変わらずの轟音だ。一体何処まで響いただろう。
廊下などという狭い場所で爆薬を使ったせいで、煙が深くて対象の姿は捉えられない。
でも、聞こえてくる声からするに、少女は生きている。瞬間的に大悪魔の方が庇ったのか。
「……フフ」
ガスマスクの下から聞こえてくるフーゴの笑い声に、私はとあることを悟って天を仰いだ。
(フーゴのスイッチが入った……あかんやつやこれ)
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あゆ - 授業中なのに、あそこまで描けるっていう...ヤバ...(語彙カ) (2019年1月7日 8時) (レス) id: 072ca93e4c (このIDを非表示/違反報告)
cc(プロフ) - 夜桜美月さん» コメントありがとうございます!やっぱり描いちゃいますよねぇ…笑 でも今は一番前の席になっちゃって、先生の目の前なので描けなくなりました(´ー`) 無念です。 (2018年3月2日 19時) (レス) id: 3524d9e2e8 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜美月(プロフ) - いつも楽しく見てます!落書きのレベル高!その画力を恵んでくだせぇ。授業中絵描いちゃいますよね。机とか、そして見つかる\(^o^)/ (2018年3月2日 19時) (レス) id: 20b5aa4547 (このIDを非表示/違反報告)
メイ - ccさん» いえいえ!質問に答えてくださってありがとうございました!これからも頑張って下さい! (2018年2月24日 12時) (レス) id: b6d44dcbc7 (このIDを非表示/違反報告)
cc(プロフ) - メイさん» 応援と質問ありがとうございました!これからも頑張ります(*^o^*) (2018年2月24日 7時) (レス) id: 3524d9e2e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:cc | 作成日時:2018年1月14日 18時