□ ページ13
.
【場地side】
.
.
あれからAの作ったオムライスを食べて、千冬と風呂に入る。
風呂は、Aが入れるなんて言ってたけど、「こいつもオトコなんだぞ」って言ったら、「いや、5歳だから。」なんて言いやがる。例えガキでも、Aがオトコと風呂に入るとか有り得ないから、俺が入れた。
「なあ、Aの作る飯、美味かったろ？」
「うん、おいしかった」
「良かったなあ」
目を背けたくなるような痛々しい痣が散りばめられた身体を優しく洗ってやる。千冬の髪は柔らかかった。
「…ばじさん、…あのね、」
「んあ？」
「……ぼくのこと、ひろってくれて、ありがと、」
「…おう、…ほらシャンプー流すから目ぇ瞑ってろ」
「ん、」
まじまじと目を合わせて言われると、恥ずかしかった。それと同時に、嬉しかったし、千冬と一緒に居たいと強く思った。
「よし、あがるかー」
「んっ！」
「はいはい」
たった30分。一緒に風呂に入っただけだが、一気に距離が縮まり、千冬も俺をさほど怖がらなくなった気がする。……現に、嬉しそうに俺に手を伸ばし、「抱きあげろ」とせがんでいる。その姿が、とても可愛かった。
風呂を上がって身体を拭き、千冬に下着だけ着せる。自分が服を着る前に、Aを呼んだ。千冬の身体についたこの痣を、どうすればいいか分からなかったから。
「おーい、Aー」
「んー？どしたー！」
ガラっと洗面所の戸を引くと、目を見開いて全力で閉めたA。訳が分からなくて、俺も千冬も首を傾げる。
「あ？どした、なんだよ。つか、話聞けよ」
「い、いや聞くよ、聞くけどさっ！」
「なんだよ」
「ふ、服着なよ、…せめて、下は履け。」
「……あ。わりぃ、」
一糸まとわぬ姿。なんてそんな色っぽいモンじゃない。けど、ちょっとでも意識してくれてんのかな、とか思うと、ニヤけてしまった。
「い、いい？」と戸惑った声が聞こえて、慌てて下着を履く。
「わりー、忘れてた」
「いや、い、いいんだけどさ、」
「おかお、まっかだよ？」
「なっ！千冬くん、しーっ！！！」
Aの顔は、リンゴみたいに赤かった。
強気なオンナかと思えば、ウブな一面を見せつけてくる。これだから、Aを好きでいることはやめられないなと強く思った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3259人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しょーゆ - 久しぶりに見に来たら、更新されていて喜びの舞を踊ってしまいました。大好きです。更新頑張ってください！ (11月11日 10時) (
レス) @page28 id: 3bdb915083 (このIDを非表示/違反報告)
navy(プロフ) - 続きがなくて泣いた。なんでここで終わってる……！！！！ (7月5日 18時) (レス) @page27 id: eabe4dc5e7 (このIDを非表示/違反報告)
花怜?ゃ?(プロフ) - ニヤケ止まりません。好きすぎる‼️‼️ (2022年11月20日 19時) (レス) @page27 id: 364dcb601a (このIDを非表示/違反報告)
ちょんちょん - はぁぁぁ…尊すぎました。最高です。 (2022年7月24日 12時) (レス) id: 6a23f9fd22 (このIDを非表示/違反報告)
まお - あかん。にやけ止まらん (2022年5月11日 0時) (レス) @page27 id: 51025c20d8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぴらふ | 作成日時：2021年8月9日 23時
