私たちの恋愛１０最終章 (ページ26)

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甘えてって、そんな事？
絶対に無理！！
っていうか、彼氏に買わせるなんて違うと思う。
今までどんな人と付き合って来たんだろ？
段々と腹が立って来た…。

A「…ムカつく。じゃあ、今まで何でも買ってーって可愛く言われたら、何でも買ってあげてたんだ？へぇー…。」

何だろう…。
そんなのに喜びを感じるこの人と付き合っていけるのかなとか思ってしまった。
いや、違う。そうじゃない。これは嫉妬。
私が知らない過去の紫耀と元カノのリアルなやり取りを想像して、妬いてるだけ。

紫耀「えっ？あっ、違う！違う！怒んないでよー！」

嫉妬している事に気付いても、ムカつくのが治るわけでもなく…

A「付いてこないで！触んないで！レジするから邪魔！」

必死に私の後ろを追いかけて、腕を掴んでくる紫耀。
私は、箱菓子を5つ抱えてレジに持って行く。
お会計を済ませた。

紫耀「ゴメンね？許して？ね？」

A「怒ってないって。ただ、へぇーって思っただけ。」

紫耀「その、へぇーって言うのが怖いんやって！！」

うるさいなー、そう思っていたら、横から、

男「あっ。」

A「あっ、どうも。」

さっきの自転車を押していたカップルだ。
またこの中年カップル、喧嘩してるって思っただろうな。

紫耀「あっ、さっきの！」

A「またお恥ずかしい所を…。すみませんね…。では。」

逃げるように、お店から出た。
追って来た紫耀。
私の持つお土産屋さんで買った袋をさっと奪って持ってくれた。

A「フフ。ありがとう。」

紫耀「ええって。良かった。笑ってくれた。」

A「別に怒ってはないよ？」

紫耀「うそー？」

A「ただ、ちょっとね。」

元カノとの関係性をリアルに想像して、妬いてたって、何だか言いたくないな。

紫耀「何？」

A「教えなーい！」

ダッシュで車へ走る。

紫耀「えっー！何なんそれー！あっ、待ってよー」

笑いながら、追いかけて来る紫耀。
私は、紫耀の望むような甘え方は出来ないけど、いつまでもこんな些細な事で笑い合いながら側にいたいな。