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くすぐったい感覚で目が覚めた。
目の前には、紫耀の顔。

A「ん…。おはよう」

紫耀「おはよう」

凄く笑顔で私を見ている。

A「どうしたの?…カッコイイね…」

今日も朝からカッコイイな…
手を伸ばし、頬に手を添える。
私の手の上に自分の手を重ねて、

紫耀「寝顔が凄く優しくて、めっちゃ笑顔だったよ。マリア様かと思ったー。一体どんな夢を見たの?」

A「…夢?」
なんだろ…夢見たのかな?
うーん…、覚えてないや。

A「分かんない。忘れちゃった。笑」

紫耀「アハハ。かわいいー!」

ギュウギュウ抱き締められる。

A「大好きー!」

私も負けずにギュウギュウ返し。

紫耀「よーし!散歩行こう?」

そう言って、体を起こした紫耀に左腕を引かれ、起こされる。
そのまま左手の薬指の指輪を見ると、嬉しそうにそこへキスを1つ落とし、唇にもキス。

紫耀「俺だけのA。」

おでこを付けながら、言われた。

A「うん。」

とっくにそうなんだけどな…
男の人の心情からすると、そういうものなのかな。

着替えて、散歩に出た。
早朝、旅館の周りだから変装しなくても大丈夫だよね?と言って、一応の伊達メガネとキャップを被っただけ。
手を繋いで歩く。

紫耀「最近、俺帰り遅かったでしょ?」

A「そうだね。忙しそうだったもんね。お疲れ様。」

紫耀「ありがとう。でも、実はね、Aと俺の事務所に結婚の許可を貰いに行ってたんだ。」

A「えっ?」

立ち止まって、紫耀を見上げる。

紫耀「フフ。座ろっか。」

近くにあるベンチに座った。

紫耀「黙っててごめんね。」

A「ううん。そんな事が…。私、何にも知らなくて…。ありがとう。大丈夫だった?…って、そんな簡単にいく訳ないよね。」

お互いの事務所へはこれからだと思っていた。
先に事務所へ確認してプロポーズしてくれたんだ。
そんな男らしくて、筋が通っている所、凄く嬉しいし大好きだな。

紫耀「まぁ、最初はどっちの社長さんにも大反対されたけど、それでも諦めるつもりなかったから、お願いし続けたんよ。そしたら、話しを聞いてくれるようになった。Aの社長さんには、マネージャーさんが、裏でかなり動いてくれてたみたいで、ある日また頼みに行ったら、結婚してもいいって許可してくれたよ。」

A「ケンちゃん…。泣」

紫耀「本当にAの幸せだけを考えてくれる人だよね。」

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作者名:ひろみ | 作成日時:2018年11月8日 12時

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